リーダーとグローバルリーダーの違いとは




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リーダーとは

本章では、国内外問わず不変的な概念であるリーダーとは、リーダーシップとは何かについて説明します。
参考:小笹芳央著 『モチベーション・リーダーシップ 組織を率いるための30の原則』より

■リーダーとマネジャーの違い

リンクアンドモチベーショングループでは、リーダーシップを「ある一定の目的に向けて人々に影響を与え、その実現に導く行為」と定義づけています。ある状況下でリーダーシップを発揮する人がリーダーであり、組織での立場や役割を示すマネジャーやマネジメントとは区別をしています。

<リーダーとマネジャー(マネジメント)の違い>

リーダー  :ある一定の目的に向けて人々に影響を与え、その実現に導く人
マネジャー :メンバーをとりまとめ、組織で成果を出す責任者


■リーダーシップの条件

では、どのようなリーダーシップを取る人がリーダーとなり得るのでしょうか。
ここでは、5つのポイントについて説明します。

①アイカンパニー:「自分株式会社」の経営者というスタンスを持つ

優れたリーダーは強い自立心を持っています。そういったリーダーに共通する点は、自分自身を「株式会社=アイカンパニー」の経営者として捉え、日々努力を積み重ねています。

②ビジョン:分かりやすくて魅力的なビジョンを描く

リーダーシップ発揮の大前提は、ビジョンです。ビジョンや目的なくして、他者への影響力を発揮する事はできません。自らが成し遂げたいビジョンを明確にすることで、人々の共感を獲得していくことが重要です。

③葛藤:芸術的センスを発揮して対立事項を統合する

ビジョンや目的の達成に向けて、リーダーの選択肢は無限であり、常に葛藤に直面します。一定の成果を出すために、互いに相反する対立事項を統合していく活動こそが、リーダーシップです。

<リーダーが直面する5つの葛藤>

「効率 VS 感情」「受容 VS 支配」「短期 VS 長期」「論理 VS 感覚」「分化 VS 統合」

④影響力:五つの影響力でメンバーを動かす

ビジョンを描き、その実現のために様々な対立する事項を統合することがリーダーの役割ですが、その際、リーダーにとって不可欠なのが「影響力の発揮」です。リーダーはビジョンを成し遂げるために組織内に相互作用を作り出さなければリーダーシップを発揮することができません。

<リーダーの5つの影響力>

 専門性・魅了性・返報性・一貫性・厳格性

⑤スイッチ:「スイッチ法」でメンバーの行動を変える

リーダーは「影響力」を使ってメンバーから望ましい行動を引き出すために、
時間軸や空間軸を上手く切り替え、モチベーションが低下しているメンバーに対して、変化のきっかけを与えることができます。

上記の通り、リーダーシップは、天性の資質ではなく、誰しもが磨ける後天的獲得可能なスキルです。実務や実践を通じて、リーダーシップを磨いていきましょう。


グローバルリーダーに求められること

前述の通り、リーダーとは、国内外問わず不変的であり、どこにでも持ち運び可能なポータブルスキルであると考えています。

ただし、前コラムで述べた「グローバル人材とは」や「異文化コミュニケーションとは」に記載の通り、非日本人に対し、関わりを持ち、相手を説得したり、感化したりする場合に、日本人の常識では通じない部分があるため、別物であると認識されることがあります。

参照:グローバル人材とは何か?なぜ今必要とされているのか?
参照:異文化コミュニケーションとは?よく起こる問題を解説

ここではリーダーとグローバルリーダーの違い、またグローバルリーダーとして持っておくべきマインドやスキルを紹介します。


■「対人」面で求められる”対応力の幅”の違い

前章で、リーダーとは、「ある一定の目的に向けて人々に影響を与え、その実現に導く人」であるとお伝えしました。これはリーダー自身がビジョンを持ち、影響力を身に着け、コミュニケーションという武器を使って人を感化する行為ですが、その前提として、相手に伝わらなくては意味がありません。

前コラムの「異文化コミュニケーションとは?」で、日本人の特徴について触れていますが、相手を感化するためのコミュニケーション方法が、ハイコンテクスト過ぎると、日本の文化背景を持たない非日本人には伝わらない可能性があります。

このように言語も伝え方のスタイルも異なる場合、対人面での対応力の幅が求められるのです。



例えば、このような例もあります。

日本では、個人のベネフィットについては軽視されがちな傾向があります。部下や後輩に対して何かを依頼する際、「会社のためだから」や「役員会で決まったことだから」といったコミュニケーションが取られるシーンを見たことがあるのではないでしょうか。自分の意志ではないかの如く、相手に強要してしまうことがあります。

この様な事象は、日本人ならではの傾向であり、この依頼スタイルに慣れているとと、以下のような壁にぶつかるケースもあるかもしれません。

「それって私個人だと、どんなメリットがあるんですか?」
「それをやると、何か特別なベネフィットがあるんですか?」

相手の特性や志向にあわせてコミュニケーションが出来る、対人面での対応力の幅がグローバルリーダーに必要なひとつの要素と言えるでしょう。


■「対課題」面で求められる”視界の幅”の違い

前章で、リーダーは、分かりやすくて魅力的なビジョンを描くことが大切、とお伝えしました。前述したケースにも関係しますが、グローバルフィールドにおいては、日本特有の商習慣や日本人の特性は、、相手には理解しがたい場合もあります。これは、視界の幅の違いから生じるギャップです。

例えば、個人的な体験ですが、2010年当時、アメリカやカナダでは、給料やお小遣い、家賃の支払いなどは小切手で行われており、便利なものとされていました。

小切手を使ったことのある方なら分かるかもしれませんが、相手の銀行口座番号も聞くことなく、かつ現金のように盗まれたら最後というような低セキュリティのものでもなく、いつでもどこでもその場で好きな金額を相手に渡せるの魅力的なサービスに思えたものです。

仮に「小切手という便利なアイテムを日本に普及させ、世の中をもっと便利にする」といったビジョンを掲げたとします。すでにオンライン銀行振り込みやモバイルペイなどが普及している国においては小切手の便利さや魅力は伝わりずらいものでしょう。

このように、自分にとっては新鮮で世の中を変えたい動機であっても、文化や社会背景の異なる相手にとっては魅力的なビジョンに映らない可能性もあります。
社会・経済環境がまったく違うフィールドにおいては、前提がそれぞれで異なるため、常にアンテナを広げ、学び続ける必要があるということです。


■「対自分」面で求められる”しなやかさの幅”の違い

日系企業の場合、新卒一括採用、終身雇用といった制度を持っている会社が多く存在し、生涯ひとつの会社で働き続けることも少なくありません。勤続する中で、自社の理念を深く知ったり、仲間との共働く通じて、会社への忠誠心が強くなることもあるでしょう。

一方で、自社から出たことがなく、”井の中の蛙大海を知らず”状態に陥ったり、またそのような組織の中で働き続けているため、必然と自分をPRする機会は減っていきます。

日本以外の国ではどうでしょうか。終身雇用という概念がないことも多く、場合によっては解雇も辞さない国が存在します。社員は雇用されていても会社や上司に対し、常に自身や自身のパフォーマンスのPRが欠かせません。

このような風潮から「あなたはどんなことが強みなんですか?」「なぜこの会社で働いているんですか?」など、自分軸を問われる会話が多く見られます。

また、毎月の様に新しいメンバーを迎え入れたり、送り出したりと、国籍やバックグラウンドの違う多様なメンバーの中で働くことが当たり前な環境の中、相手を快く受け入れたり、相手を知るといった行動を意識的に取り入れていく必要があります。

このような背景から、より強く自分軸を持たなければならない一方で、多様な人を受け容れられる器の大きさ、寛容性も必要になります。


グローバルリーダーは育てられるのか?

では、どのようにしてグローバルリーダーを育成することができるのでしょうか?

これについては、未解なところも多く、本人の意志や職場、家庭の環境など様々なことが要因となり、想定通りに育成することは難しいと考えます。

よって、会社や人事ができることは、適切な人材を選び、環境を整え、周囲からの適切なフィードバックを受けられるような、場の設計をすることです。


■選抜型と公募型育成

リーダーは生まれ持った資質ではなく、「鍛えられるスキル」であるとお伝えしました。一方で、全ての人材をグローバル人材に育てるには予算や時間・リソースにも限りがあります。
人事部は、限りあるリソースをどこに投下するのかしっかり見定めながら戦略的な人材育成の計画が求められます。

①選抜型育成

リーダーのコンピテンシーを決め、それに当てはまるかアセスメントを行い、選抜する。
1点注意が必要なのは、本人の希望有無を事前に把握することです。グローバルリーダーに興味がないのに「選ばれてしまった…」という事象を避けるためにも事前の調整が大切です。

②公募型育成

我こそは!と思う社員に立候補してもらい、その中から選抜をするという方法です。選抜にあたっては①で示したようにアセスメントを経て選抜します。この方法ですと、向上心のある方ばかりが集まる上に、選抜もされているので候補者郡のレベルを落とすことなく、実施ができます。

ただし、公募をしても、目ぼしい社員に集まってもらえない可能性があります。公募を成功させるためにも、予め広報等で周知徹底した上で、人事側からも「魅力的なプログラムであること」また「ぜひ応募してほしい」といった雰囲気づくりを行うことが重要です。


■広い視野をもたせるための経験学習をさせる

前章でグローバルリーダーに必要なものの1つとして「視界の幅」とお伝えしました。選抜された方が国内でのリーダー経験しかない場合、視界の狭さが課題のひとつなるでしょう。

この場合、いくら研修で「広いアンテナを持つことの大切さ」を説いたとしても、自身の中に過去に経験がないため、狭い世界でのイメージに留まってしまうでしょう。。広い視野で物事を捉えてもらうためにも、海外トレーニーや、海外駐在など、国外で主体性をてるような機会を設計してあげると良いかと思います。

参照:OJTとは?メリットや歴史的背景、効果的な指導方法について(経験学習モデルについて言及)


■選抜型と公募型育成

コラム:『OJTとは?メリットや歴史的背景、効果的な指導方法について』の中に職場学習の重要性について言及されている箇所がありますが、

人の成長には「職場における成長」:「上司など周囲の人との関わり」:「研修などのOFFJT機会」=7:2:1という法則があります。(米国の人事コンサルタント会社ロミンガー社の創業者マイケル・M・ロンバルドとロバート・W・アイチンガーの研究)

この「上司や周囲の人との関わり」はグローバルリーダーになる上で欠かすことができない要素です。自社内でこのような人材の輩出を考えていらっしゃるようであれば、人事異動等でふさわしい上司の元、OJTの機会がある環境に配置することで、本人のリーダーとしての意志を育むことができるかもしれません。


記事まとめ

グローバルリーダーは、本質的にはリーダーと変わりはありません。ただし、相手を感化する、納得させる、魅了させるといった行為において、日本国内では培うことが難しい”幅”が存在します。

グローバルリーダーを育成することは安易ではありませんが、会社や人事として環境設計や機会提供を通じてグローバルリーダーとしての意志を引き出せるような施策を考えてみましょう。






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