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評価面談の目的とは?
評価項目や進め方のコツを徹底解説!

評価面談


人事制度全体の中でも非常に重要な位置を占める評価制度ですが、中でも社員の納得感を醸成し、成長を促すためのカギを握るのが「評価面談」です。企業によっては、新任管理職向けに目標設定研修や評価者研修を実施していることもありますが、「評価の伝達だけで終わっている。」「部下が納得してくれない。」といった悩みを抱える場合も少なくないでしょう。
この記事では、人事評価において起きがちな事例をみながら、「そもそも評価面談で何を実現すればよいのか」を押さえ、人材育成に直結する面談のコツ・ポイントをお伝えしたいと思います。


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評価面談で達成すべき3つの目的

人事考課

「人事考課」とは、従業員の給与やその他労働対価、昇降格などの処遇を決定するために、従業員の業務の成果・能力を査定する行為を指します。従業員の評価を決定する行為そのものを指す「人事評価」と区別して、よりフォーマルな意味合いで使うことが多いです。
評価面談では、来期に向けた部下の処遇を決定するために、社内の評価制度に則って評価を下す必要があります。

人材育成

評価面談は、評価対象期間の部下の仕事ぶりを振り返り、部下自身の自己課題認識を正しく持たせる機会でもあります。今置かれている環境で部下がさらに成長するためには、自己課題を適切に認識する必要がありますが、部下一人ではその認識にズレが生じ、成長の方向性を誤る可能性があります。直属上司からの課題の明示とともに、部下に対して「あなたなら絶対にできる」という期待の伝達を行いましょう。

動機形成

評価面談は、部下のワークモチベーションを向上させる絶好の機会でもあります。部下は日常の業務に向き合うばかりで短期的な思考に陥ってしまいまうので、今の仕事がどのような意義を持っているのか、自分は何のために仕事をしているのかを見失ってしまいます。

評価面談の場では、課題の明示とともに、「こんな成長をすること、こんな機会に恵まれるよ」「あなたの仕事はこういう意義を生み出しているよ」という部下の行動に対する一定の承認も行いましょう。仕事や人生における部下自身の目指す姿・理想像などを聞いてみてもよいでしょう。目の前の仕事に向き合うことでその目指す姿に近づくことが納得できれば、部下は今後意欲的に仕事に向き合いはじめるでしょう。


評価面談において起きがちな問題

評価面談を実施する際に、評価者側の悩みとして以下のような声が多く寄せられます。

そもそも評価面談をきちんと実施できていない

評価者は複数の部下を持つ場合がほとんどで、期末・期初の業務に追われ、評価面談をきちんと実施できていないケースがあります。また、実施していたとしても数分~15分のみで行うなど、実態として機能していないといったことも多いでしょう。

評価面談の場がぎこちない雰囲気になってしまう

評価を伝える場ということで、部下側も「何か自分の良くないところをフィードバックされるのではないか」と身構えて臨んでしまうのも無理はありません。また、自分の評価者である上司に対して本音を伝えることができず口の重い部下を前にして、上司側もうまく場の雰囲気を作ることができずに時間だけが過ぎていってしまいます。

感覚で評価を付けてしまい、部下の納得感を醸成できない

部下と常に行動を共にしているわけではない評価者は、「なんとなく最近調子良さそうだから。」「最近こういうミスをしていたから。」といった感覚を頼りに評価を付けてしまうことも多いでしょう。部下側からすると「全てを知っているわけではないのに。」「期初の頑張りは評価されていないのか。」と納得できなくなってしまいます。


なぜ評価面談ではこのような問題が起きるのか

上記のような事象が発生してしまうのは様々な要因が考えられますが、評価者側の要因を大きく分けると以下の3つにまとめられます。

評価面談の目的・重要性を分かっていない

評価面談の場づくりには鉄則があります。しかし、その鉄則を押さえずに評価面談に入ってしまうことで、せっかく設けた評価面談の場の効果が半減してしまいます。お互いの伝えたいことが伝わる場になっていない状態でいくら会話をしても、納得感が得られません。

評価面談で陥りがちな人間の心理バイアスに囚われている

評価を行う際に、評価者が無意識に陥ってしまう「心理バイアス」に囚われている可能性は否定できません。このバイアスは「認知誤差」とも呼ばれ、人間であれば誰しもが陥る可能性を持っています。このバイアスについてはより詳細な具体例を後述しています。


評価の仕組み

評価を構成する要素は複数あります。絶対的な解はなく、組織や事業の状況に応じて最適な運用は異なります。その中でも組み込まれることが多い、代表的な3つの評価基準は下記の通りです。

業績評価
・目標指標の達成度合いで評価

能力評価
・仕事に取り組むことで磨かれる職能要件と照合して評価

情意評価
・組織への貢献、周囲への影響力を鑑みて評価


評価面談の進め方のポイントとは?

評価面談全体の充実度をある程度左右してしまうのが、最初の「場づくり」です。評価面談の効果を高めるための工夫についてお伝えします。

静かな場所でできれば1時間、最低でも30分以上確保する

きちんと場をつくり、相手からの情報を引き出して納得感のある場を実現するには、できれば1時間は確保すべきでしょう。部下との日々のコミュニケーション量にも依るものの、上記4つの目的を達成するにはこのくらいの時間が必要です。

また、途中で誰かに話しかけられたり、気が散ることのないように、静かな会議室などで行うことが望ましいでしょう。密室だと緊張してしまうのでオープンスペースでやる、というケースもありますが、静かで落ち着いた場を設けることで「評価面談は大切な場である」ということが部下にも伝わります。

評価面談の目的を伝える

面談のはじめに、まずは場の目的を伝えましょう。
上記の4つの目的をそのまま伝えるのではなく、以下2つに絞ることがよいでしょう。

■ 評価対象の期間をきちんと振り返り、納得する形で評価を決めること
■ 今後の成長課題を明確にし、来期の注力ポイントを定めること

これらを丁寧に伝え、一緒に評価面談の場を充実させようという意識をもってスタートすることが重要です。

まずは相手の話を遮らずに最後まで聴く

一般に人は「自分の話を聞いてほしい」という欲求を持っています。そのため、「それは違うんじゃないか。」と相手の話を遮ったりせずに話を聴くだけで、ある程度の満足感を持たせることができます。 部下の面談が始まって場の目的を伝えたら、まずは直近の部下の状況を本人に話させましょう。直近の話から、すこしずつ遡って評価対象の期間全体の振り返りをさせます。

ここまでできれば、部下も「この人の話を聞こう」という姿勢が整うはずです。


評価者が陥りがちな心理的バイアス

人事評価は人が人を評価するという行為である以上、そこには人間であれば誰しも陥ってしまう心理的なバイアスが生じてしまいます。人事評価においてはこれを評価誤差(エラー)とも呼び、これに陥らないようにするために、まずはその代表的なものを把握しておくことが重要になります。以下に代表例を挙げます。

ハロー効果 ~ここが良いからあれも良いと思い込む~

ハロー効果とは、何かひとつ優れた点があると、その印象に引きずられてその他の評価もプラスの影響を受けてしまう心理バイアスのことを指します。優れた点とは逆の場合でも、印象に引きずられる場合はすべてハロー効果と言えます。

これに陥らないためには、評価項目ごとに事実を切り分け、ひとつひとつ評価を下すことが大切です。

近接誤差 ~直近の出来事の良し悪しに左右される~

一般に人は、最近のことほどよく覚えているため、最近の出来事が評価に大きく影響をあたえてしまいます。これを近接誤差といいます。逆に、何ヶ月も前のことを実際よりも過小評価してしまうこともあるでしょう。期初の出来事も軽視することなく、評価期間全体から評価をするように心がける必要があります。

中心化傾向 ~評価に差を付けたがらない~

チームメンバーに対する優しさや遠慮などから、メンバーの評価が全体的に中央(標準)に寄ってしまい差を付けられないという心理が評価者に働く場合があります。その深層には、「こんなに低い評価を付けたら自分との関係性が悪くなるかも」「この人とこの人に差をつけると、今後気まずくなるかも」といった心配があります。

事実に基づいた自分の評価に自信をもって、評価の正当性を説明できる状態にすることが重要です。


いま流行りの1on1と評価面談

評価面談と直接の関係はありませんが、部下と上司が1対1で会話をするという点においては共通している「1on1ミーティング」があります。2017年3月に出版された本間浩輔さんの書籍『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』で紹介されているので詳細は割愛しますが、ヤフーで成果を上げていることによって「うちでも取り入れた!」という声を聴くようになりました。

たしかに1on1は部下の成長を強力にサポートする手法であることに異論はありませんが、評価面談の運用が不十分である、もしくはおろそかにしている職場で1on1を導入することには危険が伴います。

いま流行っている1on1における働きかけ

1on1の手法は一つの正解があるわけではないものの、その目的は共通している部分が多く、先に紹介した書籍では以下の3つにまとめています。

①上司と部下の信頼関係の構築
②部下の学びの深化
③部下の次の行動の決定

週に1回30分の部下と上司の面談において、これら3つの働きかけで部下を変えていくのが、1on1の全体像です。

1on1をやる前に評価面談の確実な運用を

では、上記3つの効果は評価面談では実現できないのでしょうか。先に述べた通り、評価面談には「人事考課」だけではなく「人材育成」「動機形成」も大きな目的として含まれています。一定期間の業務を終えた段階で落ち着いて自信の仕事を振り返り、評価面談で次の成長課題を明確にすることができれば、あらたな仕組みを導入せずとも人材育成のサイクルを回すことができるはずです。

ただでさえ多忙な管理職の時間を投資する新たな仕組みを作って運用に乗せるよりも先に、今ある評価面談の充実度を上げることで、評価サイクルを確実に回し、人材育成を加速させることをお勧めしたいと思います。


上司・部下 それぞれの面談時のポイント

評価面談を意義のある場にするためにも、上司・部下それぞれがどのようなマインドセットで臨むかが重要になります。下記のポイントに留意することにより、双方にとって充実した評価面談の場を生み出せるようにしましょう。

<上司>
■称賛と指摘のバランスを考慮する
足りていない点を指摘する時間が多いと、言っていることが正しいとしても中々受け入れられづらくなってしまいます。目的は指摘を伝えることではなく、本人が変わるためのアクションを起こすことです。そのための第一歩として、目指す姿に向けた差分を認識してもらうために指摘というひとつの手段があります。これまでからの変化にも光を当てながら、称賛と指摘のバランスを考慮したコミュニケーションを心掛けましょう。

■モチベーションタイプを考慮する
接する部下は、どのようなことにモチベーションを感じるタイプでしょうか。傾向を大きく分けると下記のような分類になります。

・アタックタイプ(達成支配型)
・レシーブタイプ(貢献奉仕型)
・シンキングタイプ(論理探求型)
・フィーリングタイプ(審美創造型)

それぞれモチベーションが上がる言葉は異なります。アタックタイプは「すごい」、レシーブタイプは「ありがとう」、シンキングタイプは「なるほど」、フィーリングタイプは「おもしろい」といった言葉が代表例です。自分とは異なる環境で価値観を形成してきた相手に対して、どのような伝え方をすれば最も心に響くかを考えながら面談に臨んでみてください。

<部下>
■評価を一方的に受ける場ではなくすり合わせの場であると認識する
評価面談といえば、一方的に評価を言い渡される印象が強く、気が進まない方もいらっしゃるのではないでしょうか。評価は経営視点・上司視点からなされるため、現場の認識とのズレが発生することがあります。その場合は、考慮した上で評価がなされているのか、それとも認識されずに見落とされているのかを明らかにする必要があります。今後の齟齬を生まないためにも、部下・現場からの視界を適切にフィードバックして共通理解を紡いでいく場として活用してみましょう。

■「変えられるもの」に目を向ける
会社としてのリソースが限られている中、すべての要望がすぐに叶うわけではありません。変わらないことにパワーを割くのではなく、自分が影響を及ぼして変えられるものは何か?から発想してみましょう。




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