Mission・Vision・Valueを企業経営に活かす3つのポイント

MVV


「VUCA時代」とも言われる外部環境変化が激しい現代において、企業経営に「Mission」「Vision」「Value」通称「MVV」がこれまで以上に重要であると言われています。MVVとは、わかりやすく言えば企業の価値観、哲学、信条などが反映されているものです。

しかし、重要だと分かっていてもMVVを企業経営に活かせていない企業は多くあります。 本記事ではMVVを企業経営に活かすポイントを3つお伝えいたします。


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そもそもMission・Vision・Valueとは?

評価面談を実施する際に、評価者側の悩みとして以下のような声が多く寄せられます。

そもそも評価面談をきちんと実施できていない

企業のホームページを見れば、その企業が大切にしていることが記載されていることが多いです。Mission・Vision・Value(以降MVVと記載)の他にも企業理念、経営理念、社是・社訓など、企業によって様々な名称で存在し、言葉の定義が微妙に異なりますが、ここでは一般的によく使用されるMVVを説明します。一般的にMVVで整理をすると、それぞれ以下のように定義されます。

評価面談の場がぎこちない雰囲気になってしまう

評価を伝える場ということで、部下側も「何か自分の良くないところをフィードバックされるのではないか」と身構えて臨んでしまうのも無理はありません。また、自分の評価者である上司に対して本音を伝えることができず口の重い部下を前にして、上司側もうまく場の雰囲気を作ることができずに時間だけが過ぎていってしまいます。

Missionとは

各企業が何のために活動を行うのかを指しています。会社の目的や存在意義、使命を表現したもので、時代によらず不変なものです。「企業理念」「経営理念」などが同水準にあります。

キリンホールディングス株式会社の場合)
~社会における永続的、長期的なキリンの存在意義~
”キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します”

Visionとは

Missionを果たしている状態、目指すべき姿を表します。「事業ビジョン」「経営目標」などと呼ばれることもあります。Missionが不変であるのに対し、Visionは企業の内外の状況によって変化していきます。

キリンホールディングス株式会社の場合)
~2027年までに達成したいこと~
”食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる”

Valueとは

Mission・Visionを実現していくために、日々の行動様式や判断の拠り所となるものです。Mission・Visionよりも具体的な思考や行動を表している意味では「Credo」「Style」も近しいと言えます。

キリンホールディングス株式会社の場合)
~キリングループの一員として大切にする考え方、気持ち~

【熱意】

”自由な発想で、進んで新しい価値をお客様・社会に提案することへの我々の熱い意志。会社やブランドに誇りを持ち、目標をやりきる熱い気持ち”

【誠意】

”ステークホルダーの皆さまのおかげでキリングループは存在しているということへの感謝の気持ち、謙虚な気持ちで確かな価値を提供し、ステークホルダーに貢献するという誠実さ”

【多様性】

”個々の価値観や視点の違いを認め合い、尊重する気持ち。社内外を問わない建設的な議論により、「違い」が世界を変える力、より良い方法を生み出す力に変わるという信念”


Mission・Vision・Valueが重要な理由とは

ではなぜ企業にとってMVVは重要なのでしょうか。
MVVは上述の通り、何のために働くのか、どこを目指せばいいのか、何を大切にするのか、を表しています。

Missionの観点でいえば、「テクノロジーの力で人々の生活を豊かにするため働くのか」「美味しいコーヒーでほっとしたひとときをつくるために働くのか」「インフラという社会基盤を築くために働くのか」人により働く理由は違います。
Missionにより、それらのバラバラな状態が束ねることができます。例えばテクノロジーを扱う企業で「テクノロジーの力で…」と思っている人と「美味しいコーヒーで…」と思っている人では、当然ながら仕事の取り組み方が変わり、仕事の質も量も変わります。

Visionの観点でいえば、どこを目指せばいいのかが明確になり、一人ひとりがブレずに仕事ができるため、企業としてより早く目指すべき姿に到達できます。

Valueの観点では、イメージが湧きづらい抽象度の高いものから、日常の行動で大切にすることへと具体的になるため、社員も理解がしやすく、エネルギーが高まります。「テクノロジーの力で人々の生活を豊かにするために今日の仕事もよろしく!」と言われるよりも、「既成概念にとらわれることのないアイデアをどんどん出していこう!」と言われる方が、今の自分がすべきことがわかりエネルギーとモチベーションが上がるはずです。


MVVが存在しているにも関わらず機能していない理由とは

MVVが存在しているにも関わらず機能していない理由は、”浸透していない”からです。 ”浸透していない”とは、一人ひとりの社員がMVVにのっとった行動をとれていない状態です。日々の仕事の中で求められる行動ができなければ企業経営に影響を与えることはありません。
「毎朝全員で唱和している」「目に見えるところにポスターを貼っている」「週1回社長から直接メッセージを発信している」。
こうした活動は必要なものですが、実際の行動に繋がっていないケースが多くあります。

MVVの浸透がうまくいかない3つの理由

MVVが浸透しない理由として多いのは「社員のエンゲージメントが低い」「浸透している状態がイメージできていない」「管理職が機能していない」の3つです。

社員のエンゲージメントが低い

エンゲージメントとは「企業と社員の相互理解・相思相愛度合い」です。エンゲージメントが高ければ経営からのメッセージに対し、社員が納得感を得て動いてくれるようになります。
またメッセージの背景・意図を逐一説明せずとも社員が理解してくれます。つまりエンゲージメントが高ければ、経営に対して前向きなのでMVVが浸透しやすい状態と言えます。エンゲージメントが低ければ、会社のことが他人事になり、主体的に業務に取り組むことができていません。トップや上司が何を言っても反発ばかりで動いてくれない組織状態です。そんな組織では会社がどれだけMVVの重要性や浸透について声掛けをしても、社員は向き合ってくれません。

浸透している状態がイメージできていない

エンゲージメントとは「企業と社員の相互理解・相思相愛度合い」です。エンゲージメントが高ければ経営からのメッセージに対し、社員が納得感を得て動いてくれるようになります。
MVVは「社会に貢献する」「世の中を豊かにする」など、比較的抽象度の高い言葉が掲げられます。そのため「一人ひとりがどのような”行動”をとることが浸透していると言えるのか?」が現場の社員と擦り合っていないことがほとんどです。浸透している状態をイメージできる基準で具体化をする必要があります。

管理職層がMVVを意識できていない

MVVが存在しても勝手に社員の行動に浸透していくことはありません。メンバーに具体的な行動のイメージが湧いていても、実際に行動に落とし込み現場で実践・浸透させる役割を担っているのは管理職です。管理職が日々の業務のマネジメントだけではなく、日常の行動とMVVを結びつけ、翻訳していくという役割意識を持っているかどうかで、浸透の度合いは大きく変わってきます。


MVVを浸透させるためには

前述のとおり、MVVを企業経営に活かすためには、「社員のエンゲージメントを高めること」「浸透している具体的イメージを共有すること」「管理職が浸透の役割を担うこと」が大切です。

社員のエンゲージメントを高める

そもそも、会社によってエンゲージメントを高める要素は多様です。リンクアンドモチベーションでは、社会学や心理学をベースに人が組織を選ぶ要素として次の4つを挙げています。

「Philosophy(目標の魅力)」「Profession(活動の魅力)」「People(人材の魅力)」「Privilege(条件の魅力)」。社員が4つのうち、どれに高い共感性を持っているのか。また、企業としてどれで共感性を高めていくのかを明確にすることは、経営をしていく上で非常に大切です。

例えば、Philosophyで社員の共感性が高そうな企業としてはスターバックスやオリエンタルランド、Professionでは外資系のコンサル企業などが当てはまるでしょう。また、Peopleではリクルートやサイバーエージェントに考えられます。Privilegeは総合商社など、給料や福利厚生が他社と比較して充実している企業などが該当するでしょう。(※あくまで弊社の見解、かつ応募者側が該当する企業に感じているイメージを表しています)エンゲージメントが高い状態、つまり企業と社員の相思相愛の状態を創るためには、社員にどの項目に期待をしてもらい、どの項目で満足してもらうのかを経営側もイメージしなければなりません。

浸透している具体的イメージを共有する

エンゲージメントとは「企業と社員の相互理解・相思相愛度合い」です。エンゲージメントが高ければ経営からのメッセージに対し、社員が納得感を得て動いてくれるようになります。
MVVのうち、Valueは日々の行動様式や判断の拠り所と前述しましたが、どのような行動をすることがValueを体現できたと言えるのかを、日常における具体的なシーンで擦り合わせる必要があります。

例えば「スピード価値を創出」と掲げられていれば、顧客からのメールは必ず1時間以内で返信すること。「誠実」が掲げられているとすれば、トラブルが起きた際は最優先で対応し、同じトラブルが二度と起きないように恒久的対策を講じること。具体的なシーンを社員が認識できていれば、浸透も進んでいきます。

中長期の目線でMVVの浸透に取り組む

MVVは多くの企業で掲げられていますが、形骸化しているケースがほとんどです。ただMVVを企業経営に有効に活かせるか否かは、企業としての取り組み次第です。MVVを浸透させることは、短期的には成果に繋がらなかったとしても、中長期的には自社の成果に繋がり、その先に社会に対してより大きな価値を発揮できる可能性を秘めています。是非取り組んでみてください。



著者

  

LM編集部

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