ティール組織とは?
組織フェーズ5段階と必要な3要素を解説




私たちは人類の歴史の中で、人々が集まって仕事を成し遂げる方法を何度も革新してきています。そして、そのたびに優れた組織の新たなモデルが生まれ続けています。

その中で新たな組織モデルとして注目されているのが「ティール組織(Teal Organizaition)」です。 今回は組織力を最大化する組織モデル、ティール組織の概念や特徴などをお伝えしていきます。


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1.ティール組織とは?

そもそもティール組織とは何なのでしょうか?ティール組織とは、VUCA時代【Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】と呼ばれる予測不能な時代において誕生した新たな組織モデルのことです。

ティール組織という概念は、著フレデリック・ラリー氏の「ティール組織~マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現~」で紹介されています。

フレデリック・ラリー氏は世界中の企業を調査し、これまでの組織モデルとは異なる組織が事業成長を遂げていることを発見し、その組織の共通点を3つ挙げています。

・ホールネス(全体性)
・セルフマネジメント(自主経営)
・進化する目的

この3つの共通点を保有する組織は、具体的には上司からの指示を聞き、受動的に動くのではなく、個々人が自分らしさを発揮しながら、能動的に意思決定をおこない、動くことができる組織であると言われています。

また、ティール組織は「生命体のような有機的な組織モデル」と言われており、上下関係や管理が少ない環境で、チームワークが自然発生し、組織の存在目的を全員が主体的に追求する組織であることが求められます。

2.ティール組織に至るまでの5段階のフェーズ

■レッド組織(衝動型組織)

レッド組織は衝動型組織と表現されます。また、レッド組織のメタファーとしてはオオカミの群れがよく使われます。この組織は強烈な上下関係が原始的な王国に成長を遂げる際に出現した組織だと言われています。現代で言うならば、ギャングやマフィアのような小規模で支配的な集団になります。

この組織の特徴は対人関係に力を行使し、それが人と人を結びつける要素になっていることです。

したがって、恐怖と服従により統率をおこなうため、統率できる範囲が狭く、また、「今」の欲望や衝動をベースに行動を起こすため、環境適応を得意とするが、安定した環境下で着実に複雑な成果を上げることが難しい組織モデルです。


■アンバー組織(順応型組織)

アンバー組織は順応型組織と表現されます。また、アンバー組織のメタファーとしては軍隊がよく使われます。

この組織は灌漑システムやピラミッド、万里の長城を作ったと言われており、レッド組織では達成できなかったことを成せるようになった組織になります。現代でも政府機関や公立学校、宗教団体などに見られる組織モデルです。

この組織の特徴は、厳格な階層をもつピラミッド構造を成しており、指揮命令系統がはっきりしており、正式なプロセスに則って組織運営をおこなうことです。

したがって、より多くの人を統率することができるようになり、また、プロセスが明確になったため中長期的な計画もできるようになったが、正しい答えは1つであるという発想が強く、変化に対して前向きになれない組織モデルです。


 

■オレンジ組織(達成型組織)

オレンジ組織は達成型組織と表現されます。また、オレンジ組織のメタファーは機械がよく使われます。この組織は絶対解は存在しないというこれまでの考え方から解放された組織になります。現代ではグローバル企業の考え方や組織構造の下敷きにもなっています。

  この組織の特徴は、実力主義を採用したことによって、イノベーションが起きやすくなり、個々の能力が発揮されやすくなっていることです。

一方、数値管理によるマネジメントも重視しており、変化と競争に生き残ることが個人としても組織としても求められることも特徴です。したがって、機械のように働くことが一定求められ、目標達成を重視し業務遂行を優先するあまり、仕事や事業活動の意味や目的を疑問視しづらい組織モデルです。


■グリーン組織(多元型組織)

グリーン組織は多元型組織と表現されます。

また、グリーン組織のメタファーは家族がよく使われます。この組織は究極的には階級や階層を撤廃してしまおうと考えており、オレンジ組織のヒエラルキーを踏襲しながら、人間らしさを追求する組織になります。現代ではサウスウエスト航空などでグリーン組織の慣行や文化が下敷きにされています。

  この組織の特徴は厳格なルールではなく組織内の価値観に基づき、お互いを尊重し、最前線のメンバーに意思決定を任せていることである。

したがって、個々人の主体性が尊重され、相互信頼が生まれやすくなります。一方、ルールが希薄なため、合意形成に時間がかかったり、意思決定者が不明瞭になってしまうことがある組織モデルです。


■ティール組織(進化型l組織)

ティール組織は進化型組織と表現されます。また、ティール組織のメタファーは生命体です。この組織は組織自体は誰のものでもなく、1つの生命体であり、組織の目的(進化する目的)を実現するために共鳴しながら 関わっていると捉えている組織になります。

この組織の特徴は、社長や管理職などの指示命令系統は一切なく、メンバーにセルフマネジメントを推奨していることです。したがって、全員が信頼をもとに独自のルールや仕組みを工夫しながら、目的実現のために組織運営を行うことが可能になります。


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3.ティール組織の実現に欠かせない3要素

■要素1:ホールネス

一言で言うと「ありのままでいる」ということです。仕事現場ではプライベートを持ち込まずに、仕事にのみ注力するというオレンジ組織(達成型組織)の概念を問い直しています。

自分の一面しか出せないよりも、安心してありのままの自分をさらけ出せる環境の方がパフォーマンスが高まるというのがティール組織の考え方です。

このような考え方を促進するための3つの組織文化があります。

①価値の平等化
誰もが等しく価値のある存在であることを認知しており、人生や培ってきた経験などそれぞれの違いを尊重し合い、自分なりの方法で貢献できるようになればよいという考え方が浸透している。

②心理的安全性の浸透
誰もが自分らしく振る舞えるような感情的にも精神的にも安全な環境を創り出す努力をしている。愛、思いやり、感謝、好奇心、楽しみ、陽気さといった気分や雰囲気を尊重する。

③分離への克服
認知的、物理的、感情的、精神的、理性的、直観的に全ての部分を尊重できる組織を目指しており、個々が組織全体の一部であることを認識している。

このように独自の取り組みを工夫して、実践したり、個人が様々なタイプの仕事にチャレンジすることができるような工夫がされていることで、個人が多様な能力を発揮することが可能になります。



■要素2:セルフマネジメント

一言で言うと、「全て任せる」ということです。つまり、社員を管理するための明確なルールや社長や管理職からの指示命令系統がなく、自分のことは自分で管理している状態です。例えば、働く時間や給料も自分で決めるということです。

しかし、そのようなことが本当にできるのでしょうか?3つの組織文化によって実現することが可能になります。

①意思決定プロセスの委譲
全ての意思決定プロセスは助言プロセスを通じて行われることで、個人の意思決定にように見えて、実は組織で出した意思決定になる。

②情報の透明化
全ての情報(成果や給料など)があらゆる人に公開されているので、不信感の種がない状態を実現する。

③自責意識の浸透
対処すべき問題を感じた時は行動する義務を負う。問題意識を自分の役割範囲内に留めることは認められない文化がある。

このようにメンバーやチームの成果やプロセス行動もリアルタイムで見える化され、メンバーやチームは自分自身の成果やプロセス行動を自覚し、組織を進化させる機会を組織内で有しています。



 

■要素3:進化する目的

一言で言うと、「何のために存在するのかを問う」です。既存の組織では、目標設定と達成が大前提にあります。

しかし、「何のために目標を達成するのか?」という目的を問う質問に対してどれだけの人が答えられるのでしょうか?私たちは日々仕事をしていると目の前の数値目標を達成することが、日々の仕事の目的になってしまいがちです。

ティール組織で言う目標は「未来」であり、目的が明確であれば当然意欲も高まり、パフォーマンスも高まるというのがティール組織の考え方です。

このような考え方を促進するためには主に3つの組織文化が必要になります。

①使命感の醸成
自分の使命と組織の存在目的を重ね合わせるために、自分の心の声に耳を傾ける義務を組織として負っている。

②感覚での将来計画
精緻に未来を予測し、コントロールすることは無駄であり、その場その場の状況を感じ取り、対応することにすれば全てのことが見えるようになるという考え方が浸透している。

③利益の追求
長期的には存在目的と利益の間にはトレードオフは存在せず、自分の存在目的の達成に向けて努力すれば利益はついてくると考えている。

このように組織の進化する目的や個人の存在目的を常に考え続け、共鳴させていく組織こそがティール組織になりうるのです。


4.まとめ

いかがだったでしょうか?組織には「絶対解」はなく、「最適解」があるのみです。いかに環境に適応できる組織を創っていけるかが最大のポイントになります。

ルールに囚われず、組織を1つの生命体と捉える「ティール組織」の考え方はまさに現代に求められる組織の1つのカタチではないでしょうか?組織の在り方を考える上で何かヒントになっていれば幸いです。


著者プロフィール

  

小川 隼汰

【プロフィール】
リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・ベンチャー企業向けのコンサルティングに従事。 「新卒採用の戦略設計及び、実行支援」「企業理念の策定及び、浸透支援」など主に組織人事に関わる領域で教育/福祉/IT/小売業界など数多くの業界の企業を支援してきた経験を持つ。

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