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レジリエンスとは?
向上のメリットと鍛える方法を解説




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レジリエンスとは

レジリエンスとは、「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」(全米心理学会)と定義づけられる、最近注目を浴びている考えです。

海外では30年以上もの間研究が続けられているテーマですが、近年では個人・組織ともに通用する「さまざまな外的環境・状況から圧力(ストレス)を受けてもこれに適応し、跳ね返し、生き延びる力」として、心理学の分野だけでなく、組織論や社会システム論、さらにはリスク対応能力、危機管理能力としても広く注目される用語となっています。

レジリエンスという概念は、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大虐殺行為「ホロコースト」で生まれた孤児への追跡調査がきっかけと言われています。トラウマ体験やストレス状況など、ネガティブなできごとが起こったときに、立ち直れる人も いれば、心が折れてしまう人もいます。

その違いを生み出すもの、つまり「何かあっても立ち直れる力」が 「レジリエンス」であり、今この変動の激しい世の中で重要になっている「回復力」と言えます。




<参考:日経woman「心の筋肉・レジリエンスの鍛え方 逆境からどう立ち直る」


レジリエンスが注目されている背景

この10年余り、リーマンショックなどの景気変動・東日本大震災などの自然災害等様々な要因による事業環境の大きな変動が起きています。 加えて「日本」を取り上げると、高齢化が著しく進む人口減少社会に突入しています。雇用の不安定化や、格差の拡大、地域の絆の消滅など、外的な衝撃を受けとめ、耐える土台そのものが弱まりつつあります。 さらに2020年は追い討ちをかける形で、グローバル規模で新型コロナの感染拡大が起こり、未曾有の事態に個人も組織も急激な変化を求められる年となりました。

このような不確実で不安定な世界に生きていく上で、個人にとっても組織や地域、社会にとっても、「レジリエンス」の考え方を理解し、短期間での急激な環境変化に適応する重要性が高まっています。


レジリエンスと関連・類似した用語

■ストレス

レジリエンス(resilience)という言葉は、物理学の世界で生まれ、生活の中で用いることが多い言葉のひとつ「ストレス(stress)」と共に、物理学の世界における専門用語として広く活用されています。

物理学の世界でそれぞれの概念は、
ストレス(stress):外力による歪み
レジリエンス(resilience):外力による歪みを撥ね返す力
という理解がされています。

■メンタルヘルス

レジリエンスに類似する言葉にメンタルヘルスという言葉があります。メンタルヘルスは、私たちを悩ませるストレスや精神的な疲労、悩みを軽減し緩和してくれるサポートのことを指します。

メンタルヘルスとレジリエンスの関連については、レジリエンスを高めるトレーニングに関するシステマティックレビュー(Robertson et al.,2015)によって、「レジリエンスを向上させることによってメンタルヘルスも向上すること」が述べられています。  

日本の労働者のメンタルヘルスの現状として、企業側にもケアを行う必要性が高まっていますが、現状はまだ個人向けの 2 次・3 次予防が中心であり、企業全体に行う 1 次対策の例はまだ少ないと言われています。


心が折れやすい人に共通して見られる特徴

■目の前の状況に一喜一憂しがち

心が折れやすい人は周囲の影響を受けやすく、既に起きてしまったことや変えられないことにとらわれて視野が狭くなってしまいがちです。

■マイナス思考であきらめるのが早い

心が折れやすい人はちょっとした失敗や気分の落ち込み、周囲との間でうまくいかないこと等 起きたことに対して様々な理由をつけて早々に諦めてしまう傾向にあります。

結果として、決めたことに対してやりきることができない・成功体験がつめないことでよりマイナス思考に陥ってしまい、ますます自己肯定感が下がりレジリエンスが低下するというサイクルに陥りがちです。

※参考:カオナビ人事用語集「レジリエンスとは? 心が折れやすい人の特徴、レジリエンス向上の重要性、組織のレジリエンスを高める方法について」



レジリエンスを高めるメリット・効果

レジリエンスを高めることのメリットは様々ありますが、 主には下記のようなメリットがあげられます。

①自己評価を通じて成長する

レジリエンス向上のスタートは、客観的な自己認知です。自身の強みや弱み、モチベーションの上がりやすいポイント、 陥りがちなことを適切に理解することで、物事や環境に対して不安定になることなく成長し続けることができます。

②ストレスがたまりにくくなる

ストレス社会と言われる現代において、身の回りのストレッサーを適切に対処し自分自身を守る力は不可欠です。

またレジリエンスを高めることで、ストレスを受け流すだけではなくストレスをエネルギーに変換したり 失敗などから内省して学びを得る力も身につきます。

③目標達成力が向上する

常に世界情勢が激変する現代において、大規模な組織改革や戦略的な人事異動、M&A、顧客ニーズの変化など、常に働く私たちの身の回りは変化にあふれています。

そのような中、私たちにはさまざまな困難に直面する機会があり、成果を出すためには失敗や責任の重圧を怖れずにチャレンジし続ける姿勢が不可欠です。レジリエンスは変化に対する適応能力としても注目されており、 困難を乗り越え、目標を達成する上で必要不可欠な能力です。

変革が求められている業界や、ニーズの変化が早い業界の方、経営幹部候補の方やグループリーダーなどの役職者、 日常の仕事でストレスを感じやすい方等には特に必須となる「筋力」といえます。

また個人だけでなく、組織のレジリエンスを高めることで
・つまづいても立ち直りが早く、強固な組織
・ダイバーシティの促進
・想定外の事態にも即座に対応できる組織
の実現に繋がります。

※参考:BIZHINT「レジリエンス」

レジリエンスを持つ人の特徴とは?

レジリエンスを持つ人の特徴として、下記のようなことがあげられます。

■状況に一喜一憂しない感情の安定

起きたことに対して一喜一憂してしまう人は感情の消耗が激しく、物事に対して諦めの感情を持ってしまったり、疲労が溜まりやすくなります。レジリエンスが高い人は物事を客観的に捉え、自分が変えられることに目を向けて行動し続けることができます。

■自分を過小評価しない自尊感情、自己効力感

自尊感情や自己効力感をしっかりと持っている人もレジリエンスが高いと言われています。

これは決してもともとの特性のみに依存するものではなく、自分の強みなどを適切に理解した上での「自分なら大丈夫」と信じる力、小さな成功体験を積み重ねることによる「自分はできる」「成長している」という自信を持つ人は高いレジリエンスを発揮できます。

■失敗してもいつかできると考える楽観性

何か起きた時に悲観的に「もうダメだ」「自分にはできない」と思ってしまう人は視野狭窄に陥ってしまい、次のもう一歩を踏み出して成功体験をつくることができません。

レジリエンスの高い人は、困難な状況に陥っても 「何とかなる!」「次どうするべきか?」と次の行動に踏み出す ポジティブさを持っています。


レジリエンスを持つ人材になるためには?

レジリエンスの高低には、ある程度遺伝的な資質があると言われる一方で後天的に高めていけるものでもあります。 レジリエンスを持つ人材になるために重要な要素としては、下記があげられます。

①問題解決思考

目の前の状況を悲観的に捉えてただ嘆くのではなく、 状況を改善するために問題を積極的に解決しようとする意志を持ち、 解決方法を学ぼうとすることが重要です。

②自己理解

レジリエンス力強化のスタートは「適切な自己理解」です。 自分の考えや、自分自身の特性について理解・把握し、 自分の特性に活かした目標設定や行動ができる訓練が必要です。

③楽観性、精神的な柔軟性

一つの視界に固執せず、物事を多角的に見て柔軟に考えられる柔軟性や、 ポジティブなことに気付いて自力でコントロールできるものにフォーカスする楽観性を持つことでレジリエンスを高めていくことができます。

※参考:平野真理、『レジリエンスは身につけられるか:個人差に応じた心のサポートのために』、東京大学出版会

組織や企業のレジリエンスを高めるためには?

個人としてのレジリエンスだけでなく、組織の適応力や耐久力・逆境力などは、企業の存在価値に直結します。 いまや組織レジリエンスは、企業評価指標のひとつとなっています。

またコロナ禍など予期しない危機により事業環境が大きく変動する現在においては、組織レジリエンスはリスク対応や危機管理能力などのひとつであり、あらゆる場面・レベルで備えておくべきものといえます。

では、組織や企業のレジリエンスを高めるために 何が重要な要素となるのでしょうか。
それは、①個人のレジリエンスの強化、②企業文化の醸成、③エンゲージメントの向上です。

①個人のレジリエンスの強化

組織のレジリエンスが高まるためにはそれを構成する一人一人が レジリエンスを高め、自律的に行動しながらも柔軟な関係性を相互に築き あらゆる変化に対応できる状態を作ることが重要です。

②企業文化の醸成

永続的に成長を続ける企業は共通して、個人のレジリエンスだけでなく 時代を経ても陳腐化することのないパーパス(ビジョン、バリューなどの企業目的) を有しています。

自立した個人が束なるために、その企業が何のために存在し、 どのような価値を社会に提供するかという企業としての哲学や存在意義を研ぎ澄ませることが重要です。 そこから導かれる原理原則に基づいて社員の行動が促され、 一体感を持って変化適応する状態に導くことができます。

③エンゲージメントの向上

危機を乗り越え、企業の永続性につながる強い組織レジリエンスは、 最終的に「組織と個人の相思相愛度合い」である「エンゲージメント」に左右されます。



※エンゲージメントを左右する「エンゲージメントファクター」の一覧



※エンゲージメントスコア(ES)とエンゲージメント・レーティング(ER)

組織の方向性や戦略に対する実行力、変化適応力を最大限に発揮するためには、 組織のエンゲージメントの源泉をしっかり因数分解し、 真にレジリエントな組織に必要な要素を把握し手を打ち続けることが欠かせません。

レジリエンス向上のための研修とは

レジリエンスは、個人、企業、組織の危機管理といった側面だけでなく 国といった大きな集団でも必要とされています。 (実際、2013年に開催された世界経済フォーラムにおいて、「競争力の高い国はレジリエンスが高い」といった報告がありました)

レジリエンスはトレーニングによって後天的に身につけられるものであり、 研修によって「自分自身の特性を理解すること」「物事に対する柔軟な捉え方を身につけること」で、レジリエンスを鍛えていくことが可能です。

個人のレジリエンス強化をすることで組織のレジリエンスにもつながるため、企業としては積極的に取り入れていきたいテーマです。

※参考:カオナビ人事用語集「レジリエンスとは? 心が折れやすい人の特徴、レジリエンス向上の重要性、組織のレジリエンスを高める方法について」
※参考:BIZHINT「レジリエンス」

レジリエンスを高めるために必要な能力とは?

最後に、レジリエンスを強化していくために、研修に取り入れていくべき観点を整理します。 

①自己特性の理解

レジリエンス強化の出発点として、自分の考えや自分自身の特性について適切に理解をすることが欠かせません。 自分自身の感情の特性や価値観を再認識し、どのような傾向に陥りやすいのかを 把握することが重要です。

また同時に、「自分はこのような特性であっても、他人は違う」という 他人と自分の価値観は異なるということを理解することも重要です。




※自己特性の理解の観点:モチベーションタイプ


②変えられるものに注力する

環境や周囲に左右されて一喜一憂してしまう人は、「変えられないもの」に 集中してしまい視野が狭くなってしまっていることがあります。 視野狭窄から脱却し次の一歩を踏み出すためには、 「変えられるもの」に目を向ける(=選択理論心理学)ことが非常に重要です。



※変えられるものと変えられないもの(選択理論心理学:ウィリアム・グラッサー)


③思考を切り替える観点の理解

変えられるものに注力するといっても、まさにその瞬間「変えられないもの」に 目を向けてモチベーションが下がってしまっている状態から、 「物事を多角的に見て柔軟に考える」「ポジティブなことに気付いて自力でコントロールできるものに集中する」ことは難しいものです。

だからこそ、再現性高くその視界を切り替えることができる 「思考技術」を身に着けることが重要です。



※思考切り替えの観点の理解:「スイッチ&フォーカス」

記事まとめ

レジリエンスそのものの意味や、求められるようになった背景から 具体的に強化していくべきポイントまでをお伝えしました。

個人としても会社としても変化の波にさらされる現代において、素早く環境適応し永続的に成長し続けていく「基礎筋力」としてのレジリエンスは不可欠です。

「筋力」として鍛えていくことは可能だからこそ、個人としての強化はもちろん 組織の中でもレジリエンスを身につけた従業員が増えることで、より強い組織づくりにつなげることができるでしょう。





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