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キャリア・キャリア形成とは?現代のキャリアの考え方を解説


直近20年で働く環境や就労観は大きく変化しました。「満たされた時代」とも表され、職業選択も含めて「自由」が多い現在だからこそ、個々人が歩む「キャリア」や「キャリアデザイン」が一層注目されています。このコラムでは先の読めない時代のキャリアの考え方をお伝えします。


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キャリア・キャリア形成が必要とされる背景

会社員もスポーツ選手も誰もが言葉にする「キャリア」。「キャリアが大事」とは言いますが、果たしてキャリア形成の必要性は本当に高まっているのでしょうか。働く環境や就労観がめまぐるしく変化する現状を俯瞰することで、「キャリアの価値」「キャリア形成の必要性」が見えてきます。


「働く環境」も「人」も大きく変化してきた時代

働き方に大きな変化が起きています。会社の制度や人の生き方も変化していますが、特に大きな変化は下記2点だと考えます。

・「人生100年、職業生活50年、企業寿命25年」と言われるように人の寿命が企業より長くなり、終身雇用ではなくなった
・職業選択が自由になり、働く理由が多様化した

VUCA時代と言われる、技術や経済の変化が加速する時代の中で、企業の寿命は短くなる一方、人の寿命は長くなってきています。厚生労働省が「人生100年時代」というキーワードを掲げ、定年退職の延長も相まって「人生100年、仕事が50年」が当たり前となったものの、企業の終身雇用は当たり前でなくなったことでキャリアの問題が発生しやすくなりました。

※参考:厚生労働省「人生100年時代構想会議
※参考:リンダ・グラットン「100年時代の人生戦略(ライフシフト)

そして、健康寿命の長期化に伴い、学び直しを意味する「リカレント」という言葉も注目されています。「学びの期間25年、仕事の期間50年、老後の25年」という長く自由度の高いキャリアの歩み方を考えることが求められるようになりました。


キャリアは誰の責任?
~働く環境も人も変化する時代のキャリアデザイン~

コロナ禍に伴い働き方に大きな変化が起きたことで、副業や副収入の検討を始めた人が多く、「自分の生活を守るための自立意識」が高まってきています。しかし、キャリアの原動力ともなる「モチベーション」に関しては、テレワークを中心としたコミュニケーション機会の減少により、下がりやすくなったとも言われています。

このような二極化しやすい環境は、自律した個人にとって、成果創出や成長を求めれば他者と差を生むことができる機会ともなります。自分のキャリアを主体的に考えられるかどうかがポイントです。自分のキャリアに対する適切な責任意識(自己責任として前向きに意思決定しようとする姿勢)が鍵となります。

また、会社としてのキャリア支援の重要性も高まっており、主に下記のような背景があります。

①激しい環境変化に適応するため、組織の変化適応力の基礎となる社員の「自立・自律」を促す必要性が高まっている
②優秀な社員の貢献意欲が生産性に寄与するため、多様化を前提としながらも「貢献意欲を引き出すこと(エンゲージメント向上)」が必須となっている

多くの企業でキャリア支援を拡充させる動きがあります。会社も個人も互いに選び・選ばれるという「相互選択関係の時代」になっているからこそ、個人が自身のキャリアに責任を持つと同時に、会社も魅力的な組織や事業を創ることが重要となります。それにより、「個人の成長」と「会社の成長」が同時に実現できるようになるのです。このような動きは、ジョブ型・成果主義の人事制度が求められるなど、一層加速していくことが想定されます。

参考:豊田章男社長「「終身雇用難しい」トヨタ社長発言でパンドラの箱開くか」


キャリア形成・キャリアデザインの考え方

キャリアとは、仕事の経験や実績という事実だけで形成されるものではなく、個人が自身の仕事や人生にどのような意味を見出し向き合ってきたかの「軌跡」や「将来展望」でもあると考えます。キャリアの必要性や個人の自立・自律意識の高まりが生じている中、どのようにキャリアを描き、行動していくことが望ましいのでしょうか。


キャリア形成・キャリアデザインの考え方は一つだけ?
~山登り型キャリアは誰もが当てはまるのか?~

キャリアデザインと言うと、「目的を掲げてその実現を目指すこと」と受け取られることが多くあります。ただ、これはキャリアデザイン(キャリア形成)の考え方の一つでしかありません。

目指すべきゴールが見えていない状態や、目指すべきゴールを掲げるものの実現まで程遠い状態、絵に描いた餅で地に足がついたプランになっていない状態に陥っていたりと、キャリア形成は簡単に取り組めるものではありません。

だからこそ、キャリア形成においては「個々の状況に合わせた考え方」を選択することが重要です。


キャリア形成・キャリアデザインのパターン~状況やタイミングに応じて考え方は異なる~

これまでの日本企業では、一律の階層教育でキャリアの考え方を統一して伝えることが多くありました。しかし、実際には、昇格のタイミング等が違うように、一人ひとりのキャリアの歩み方は異なるもので、個人の状況に合わせてやり方を変えることが望ましいです。キャリア研修の実施であれば、手挙げ形式や上司からの推薦による選択形式とすることが望ましいと考えます。仕事や精神の習熟度、プライベートを含めた個人を取り巻く環境に応じて、適切なキャリア形成の考え方を提示していくことが重要になります。キャリア形成の考え方としては、「川下り(筏下り)型キャリア」、「山登り型キャリア」、「ヨットクルージング型キャリア」の3つがあります。


【キャリア形成・キャリアデザインの考え方①】川下り(筏下り)型キャリア

社会人人生の初期には自らの進む先を見定めたり、プランを描くのは中々難しいものです。その理由としては、「仕事の習熟度の低さ」、「精神的な未成熟さ」、「選択の自由度の低さ」の3点があげられます。仕事に慣れておらず仕事の全体像が見えていないため、「今後・その先」を想像するよりも「今・ここ」の状況に固執して考えてしまいがちです。また、精神的成熟に至る年齢は時代の変化に伴い、28歳前後と言われています。加えて、社会人になりたての段階は実績も信用もあまり無く、会社や周囲の影響を受けざるを得ない時期でもあります。

このようなタイミングでは、ゴールを掲げて進むのではなく「目の前のことを一つひとつ乗り越えながら経験を積んでいく」というキャリア形成の意識が重要になります。この時期のキャリアは、仕事や周囲との関係という「急流」に飲まれながらも、先に進んでいく様子に例えられて「川下り(筏下り)型キャリア」と言われます。

※参考:クランボルツ「計画された偶発性」

この際に大事になるのは、事前に計画を精緻に描くことではなく、「経験後の振り返りと挑み続ける姿勢」です。キャリアデザインの目的を「やるべきことの明確化、やれることを増やす覚悟の醸成」とおき、自身がモチベーション高く目の前の仕事に向き合い、能力向上に意欲的になることが重要です。


【キャリア形成・キャリアデザインの考え方②】山登り型キャリア

一定のキャリアを積んだ上で自ら次のステップに挑戦しようとする際には、目指したい姿とそのプランを明確にする「山登り型キャリア」がお薦めです。

この考え方には、目標に到達できなかった場合や何らかの理由で道が閉ざされた時に挫折しやすいというデメリットがあります。ただ、一度決めた道に対して悩みを持ちにくく、目指したい姿や到達したい状態を明確にすることで周囲からの協力を得やすいというメリットがあり、これまでよりも更に成長していくことができます。

※参考:シャイン「キャリア・アンカー」

この際に大事になるのは、「意志を持ってプロを目指す領域を決めること(専門性を高める領域の選択)」です。これまでを振り返りながら、キャリア形成の基本となる自分の価値観や動機をもとに、能力や意志と掛け合わせて、覚悟を固めることが重要です。


【キャリア形成・キャリアデザインの考え方③】ヨットクルージング型キャリア

中堅層を経てからは、社会人としての歩み方も個人差が大きくなるため、状況次第では「山を掲げにくい」人も出てきます。その際に有効となるのは「周囲の期待を力に変えながら、自ら実現したいことへと歩み続ける」というキャリア意識です。リンクアンドモチベーションでは、どの方向から風が来ても進みたい方向に進むことができるヨットを比喩として置き、「ヨットクルージング型キャリア」と名付けています。

周囲の多様かつ都度変化する期待を自身のキャリアの推進力としつつ、プライベート(私生活での人生計画やマネープラン)と掛け合わせてプランを描くことが重要になります。


キャリアデザイン・キャリア形成のポイントとは


キャリアデザイン・キャリア形成の落とし穴

考え方は分かっても、「自分のキャリア」について考えるのは中々難しいものです。

キャリア研修の実施を検討している企業様より、自社の従業員に関して「自分のキャリアに主体的ではない」「危機感を持っていない」「どうすればいいか悩んで足が止まってしまう」という悩みをお伝えいただくことが多くあります。このような悩みの背景には、多くの人が「自分のキャリアを主観的・感情的に捉えてしまっている」ことがあると考えます。

このような際には、「客観的」かつ「合理的」に考えてみることで一歩踏み出すきっかけを見出せることがあります。「冷静に考えると今の自分の状況はどうだろう」「合理的に見て、周囲から何が評価されているだろう」と考えることで、現実を直視し、キャリアを一歩踏み出すきっかけをつくることができます。最もお薦めする考え方は、自分を会社に置き替えて考えてみることです。会社経営は最も客観的かつ合理的なもので、会社に創業期・成長期・成熟期があるように自分の人生もそれに置き換えて考えてみると、変化を起こしやすくなります。


リンクアンドモチベーションのキャリアデザイン研修

リンクアンドモチベーションでは、上記の3つのキャリアデザインの考え方や、キャリアを考える際の落とし穴を踏まえた設計でキャリアデザイン研修を提供しています。

キャリアデザイン研修とは?内容や目的を年代別に解説


キャリア形成で伸ばすべきスキル・能力とは~キャリア意識は社会人としての基盤能力~

キャリア形成はキャリアを描いただけでは実現されません。その中で必要となる力とは何でしょうか。
経済産業省がまとめた「人生100年時代に求められるスキル」では、年齢に応じてどのようなスキルを高めればパフォーマンスが高まるかが整理されています。


※参考:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」

社会人基礎力とは、「社会人と新入社員の認識の差」を埋めるために2006年に考案され、リンクアンドモチベーションの創業者で現会長の小笹も委員として参画して策定したものです。その後、「人生100年時代」に合わせて再定義されています。

この図によると、社会人の初期段階において求められるスキルは、基盤能力(OS)であるキャリア意識や社会人基礎力であるとまとめられています。つまり、社会人の初期段階においては、付加価値を生む専門スキルや社内で活用できる実務スキルよりも、キャリアの考え方が整っていることが重要な要素の一つである、と言い換えられます。

また、「人生100年時代の社会人基礎力」として自らキャリアを切りひらいていく上で必要な観点がまとめられています。




ポイントは、「能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ること」です。つまり、それぞれの視点や能力を鍛えることは当然重要ですが、「●●を学んだから・●●を鍛えたから、描いたキャリアを歩んでいける」という能力や観点はなく、「自分の状況を適切に認識し、振り返りを行いながら行動修正を繰り返し続ける」という行動こそが重要であることが分かります。この繰り返しの必要性が上図の「リフレクション(振り返り)」にあたりますが、要素として特に難しいものでもあります。現状を正しく認識することは、自分では難しいものです。だからこそ周囲の力を借り、対話して周囲から学びを得ることが重要です。これまでは「ロールモデル」というキーワードが使われることが多くありましたが、正解のない時代だからこそ、相互研鑽や双発という組織風土を育んでいくことが「個々人のキャリア」に繋がると考えます。


まとめ

時代の変化を背景として、その中で求められるキャリアについて記載しましたが、個人と会社の関係性はこれからも変化し続けるでしょう。だからこそ、会社に依存するだけではなく、自らのキャリアに対して主体的であることが必要となります。
そしてその際には重要なのは、考え方ではなく姿勢やあり方です。キャリア意識・キャリアデザインビジョンがあってこそ、学び続けようと思い、スキルアップし続けることができるのです。
今後、魅力的な会社や組織で働き続けるために、自らのキャリアビジョンと会社の理念の重なりを見つけた上で、キャリア意識を強く持ち、一人ひとりが「主人公」として自らの道を歩んでいく意識を持ち続けることが重要です。





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