社会人基礎力とは?必要性や能力を向上させる方法について徹底解説



社会人基礎力とは、2006年に経済産業省によって提唱された、業種問わず、どの仕事にも必要とされる社会人としての基礎能力のことです。特に人生100年時代において、社会人基礎力は、新入社員のみならずどの階層においても重要なスキルとされています。

本記事では、「社会人基礎力の定義や必要性」「社会人基礎力を育むための効果的なアプローチ」を分かりやすく解説していきます。

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社会人基礎力とは

■社会人基礎力とは何か?

社会人基礎力とは、多様な人々と仕事をしていく上で必要な、社会人としての基礎能力のことです。 この社会人基礎力という概念は、2006年に経済産業省によって提唱されています。

社会人基礎力は、課題発見能力やコミュニケーション能力など、業界や職種問わず普遍的に求められる、どの仕事にも持ち運び可能な”ポータブルスキル”と捉えることもできます。

また、2018年には、人生100年時代における職業人生の長期化・複雑化を背景に、「人生100年時代の社会人基礎力」として再定義されています。

技術の飛躍的な進歩により、求めらる専門スキルが変化し続ける現代だからこそ、それらのスキルの土台となるポータブルスキルとしての社会人基礎力の重要性は、ますます増加しています。

<参考>経済産業省 社会人基礎力

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■社会人基礎力の必要性とは?

経済産業省は、「人生100年時代」に求められるスキルは大きく分けて二つ存在すると提唱しています。 そして、それらをパソコンにおけるアプリとOSに例え、以下のように定義しています。

1、アプリー 社内スキルや専門スキルなど、業界等の特性に応じた能力
2、OSー 主体性や課題発見力など、社会人として普遍的に求められる基盤能力


<参考>経済産業省 社会人基礎力

いくら最先端のアプリを持っていても、そのアプリに対応できるOSが備わっていなければ、最新のアプリを使いこなすことはできません。また、人生100年時代では、個人の職業人生が長くなる一方、技術の飛躍的な進歩により、社会で求められる専門スキル(アプリ)は常に変化し続けています。

そんな環境下で持続的に成果を出すためには、一つの専門スキルなどのアプリに頼るのではなく、その基盤のOSとなる社会人基礎力をアップデートし続けることが重要であると考えられています。

ITの発達により、事業価値を創出する源泉が資本から人材へと移行している現代だからこそ、社会人基礎力は企業と個人両方にとって重要な概念と言えるでしょう。

■社会人基礎力が提唱される背景

社会人基礎力は、学生が「企業で求められていると考える能力要素」と、企業が「学生に求める能力要素」との間に大きな認識のギャップがあったことから定義された概念です。

2009年に経済産業省が実施した調査によると、「主体性」「コミュニケーション力」といった項目について、学生側は「十分できている」と認識していたものの、企業側は「まだまだ足りない」と認識していたことが分かりました。

一方、「業界の専門知識」「PCスキル」などの項目については、学生側には「まだまだ足りない」という認識があったものの、企業側は「できている(これからでよい)」と認識していました。

この認識のギャップを埋め、多様な人々と仕事をしていく上で必要な基本的な能力を定義するために、経済産業省によって社会人基礎力という概念が提唱されました。

また2018年には、人生100年時代の中、これまでの社会人基礎力に加え、各ライフステージの段階で持続的に活躍し続けるために必要なスキルとして、新たに「人生100年時代の社会人基礎力」が追加されました。

<参考>大学生の「社会人観」の把握と 「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査

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社会人基礎力を構成する能力と能力要素とは?

社会人基礎力は、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力の三つの要素で構成されています。 弊社では、これら三つの要素をそれぞれ対自分力、対課題力、対人力という業界問わず必要とされる“ポータブルスキル”として捉えています。

<参考>経済産業省 社会人基礎力

■能力①前に踏み出す力(対自分力)

前に踏み出す力は、「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」と定義されています。

仕事を与えられるのを待つ受け身の姿勢ではなく、主体的に考え、行動することが求められています。正解が何かわからない状況下でも、自分と向き合い、周りを巻き込みながら失敗を恐れずに前に踏み出す力が重要となります。

前に踏み出す力は、以下の三つで構成されています。

主体性ー物事に進んで取り組む力
働きかけ力ー他人に働きかけ巻き込む力
実行力―目的を設定し確実に行動する力


■能力②考え抜く力(対課題力)

考え抜く力は、「疑問を持ち、考え抜く力」と定義されています。

不確実性の高いVUCA環境では、課題解決能力だけではなく、当たり前を疑い、そもそもの課題を発見する能力が求められています。中には、論理的に答えを出すことが困難な課題も多く存在します。

その中で自ら課題を設定し、可能な選択肢を考慮しながら解決まで導く自律的な思考力はますます重要となってきています。

考え抜く力は、以下の三つによって構成されています。

課題発見力ー現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力ー課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力ー新しい価値を生み出す力


■能力➂チームで働く力(対人力)

チームで働く力は、「多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」と定義されています。

組織は、個人という「点」の集合体ではなく、その点同士の繋がりによって成り立っています。 多くの仕事は、誰か1人の手柄ではなく、多様な関係者との連携の中で完遂されているのです。

そんな中で、多様なメンバーと協働する中、それぞれを「点」として捉え、ただ与えられた業務をこなすのでは不十分といえます。ひとりひとりと向き合い、個性を掛けあわせることで、人数以上の力を発揮する対人力が求められています。

チームで働く力は、以下の六つによって構成されています。

発信力ー自分の意見をわかりやすく伝える力
傾聴力ー相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性ー意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力ー自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
規律性ー社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力ーストレスの発生源に対応する力


2018年の再定義で新たに追加された視点

2018年、経済産業省はこれまでの「社会人基礎力」に加え、「人生100年時代の社会人基礎力」として、新たに3つの視点を加えました。弊社では、これらの視点を、人生100年時代の中で普遍的に求めらるポータブルスキルの土台となる、働くことや学ぶことへのスタンスと捉えています。



【学ぶ】何を学ぶか

学び続けるということを学ぶことが重要です。

人生100年時代では、以前のように学び、働き、引退するという3段階に区切られたキャリアの歩み方ではなくなってきています。 また、テクノロジーの飛躍的な進歩により、社会で求められるスキルは日々変化し続けています。

そんな現代だからこそ、キャリアは会社から与えられるものだと依存するのではなく、自らキャリアを描き、夢や目標に向けて日々学び続ける姿勢が重要です。

【統合】どのように学ぶか

多様な経験、能力、キャリアを組み合わせ、統合することが重要です。

今後の職業人生は、さらに長期化し、個人のキャリアもより複雑で複層的になることが予想されます。 そんな環境下では、年齢や役職に関わらす、常に現状に満足せず、自分の殻を破る適切なストレッチ(背伸び)な経験を積むことがとても重要になってきています。

そして、それらをただの経験で終わらせることなく、そこでの経験を棚卸しし、学びに変える。 自分の知識、経験、能力をそれぞれ独立した点として捉えるのではなく、知識、経験、能力、キャリアを組み合わせて学びを統合していくことが必要不可欠となります。

【目的】どう活躍するか

自己実現や社会貢献に向けて行動することが重要です。 「何を学ぶか」にもあったように、自己実現にむけて自律的にキャリアを描き、主体的に行動していくことが求められています。

一方、社会への貢献という視点も忘れてはいけません。 会社の理念や目標を理解し、目標達成のために自分が期待されていることを理解すること。全てのスキルを身に着けようとするのではなく、会社や社会からの「期待」を理解し、「自らの成長」と「企業の成長」を結び付けていくことで効果的に活躍することができます。

社会人基礎力を向上させる方法

社会人基礎力を向上させるには、 以下の二つのステップを繰り返すことが重要です。

①診断:現状把握をし、課題特定をした上で、適切な改善計画を立てる。
②変革:改善計画を確実に実行し、適宜確認および軌道修正を行う。


■<診断>鍛え方①具体的な目標を定める(周囲からの期待を理解する)

限られた時間の中で全てのスキルを習得することは非常に困難です。 そのため、社会人基礎力を効果的に鍛えるには、「どう鍛えるか」の前に「何を鍛えるか」を明確に理解しておくことが必要不可欠です。

弊社では、社会人基礎力を鍛える上で重要な第一歩として、”SMARTの法則”に基づいた目標を設定することが重要であると考えています。SMARTの法則とは、以下の5つの単語の頭文字を合わせた目標設定フレームワークです。

Specific:具体的に(明確で具体的な目標)
Measurable:測定可能な(目標の達成度合いを測る指標を明記)
Achievable:達成可能な(適正な目標レベルの設定)
Related=経営目標に関連した(会社目標との関連させた自分の役割・使命の明確化)
Time-bound=時間制約がある(時間軸の設定)


目標は時間軸を含め、具体的かつ測定可能であることが重要です。しかし、どれだけ具体的な目標であっても、それが会社から期待されている行動や成果と乖離していたら、適切な評価を得ることはできません。社会人基礎力を効果的に鍛えるには、会社からの期待を理解し、自分の成長と会社の成長をリンクさせた目標を設定することが必要不可欠となります。

■鍛え方②客観的に自分の現在地を把握する

具体的な目標設定の次のステップは、自分の現在地を客観的に把握することです。 設定した目標(会社からの期待)と自分の現状を照らし合わせることで、自分に何が足りていないのか、何を学ぶべきなのかを把握することが重要です。

具体的な方法としては、社会人基礎力診断ツールを活用することがおすすめです。友人や家族に聞く方法もありますが、診断ツールを活用することで、感覚的・属人的な思考に頼ることなく、再現性のある形で正確に現在地を把握することができます。

そして現在地を把握できてはじめて、自分の理想と現状の間にある課題が明確となり、それを軸に日々PDCAのサイクルを回すことができるようになります。

社会人基礎力診断ツール活用のメリットは、以下の記事に詳しく記載されています。

<参考>適性検査導入(BRIDGE)| 採用に適性検査を導入するメリットとポイント

■<変革>鍛え方➂日々の業務で社会人基礎力を意識する

社会人基礎力の向上は、一朝一夕には進みません。日々の積み重ねによってのみ少しずつ鍛えられていく力となります。

だからこそ、自分の強みや弱みを強く意識しながら、日々の業務に取り組むことが重要です。 特に、自分が伸ばすべきスキルに長けている上司の方から学ぶことは非常に効果的です。

例えば、会議中の発言から、手本となる方と自分の考え方の違いを観察したり、手本となる方が作成した資料と自分が作成した資料を見比べることもできるでしょう。

常に手本となる方を観察し、自分との間にあるギャップを明確にし、すり合わせ続けることが成長へと繋がっていきます。普段の日々の業務の中にある小さな学びにアンテナを立て、経験と学びを統合させることが重要です。

■鍛え方④:定期的に振り返り、学びの棚卸を行う

職業人生が長期化する可能性が高い現代では、一度自分の現在地を把握して終わりではなく、繰り返し診断や振り返りをすることの重要性が高まっています。

また、定期的に現在地を診断することは、今何を学ぶべきかを理解できるだけでなく、過去からの変化感も含め把握することができ、何が上手くいって何が上手くいっていないのか。自己成長のためのPDCAサイクルを回すためのモノサシとして活用することができます。

まとめて一括での振り返りではなく、小さくでもこまめに振り返りをし、自分の現在地を更新しながら、日々の経験からの学びを棚卸することはとても効果的な鍛え方の一つです。

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PDCAとは?PDCAサイクルの重要性、よくある失敗例と対策方法を解説

記事まとめ

社会人基礎力は、業種にかかわらず、どんな仕事においても必要な能力です。 そして社会人基礎力は、一朝一夕で手に入れられるものではありません。

職業人生の長期化が予想される現代だからこそ、日々の業務の中でどれだけ小さな学びを得られるかが、将来大きな違いを生み出します。常に自分の現在地を診断し、そのモノサシを手に、変革のためのPDCAを日々回していきましょう。



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