OJTトレーナー・メンター研修とは?メリットは?効果的な進め方や育成のポイントを解説

近年の新入社員は、言われたことは素直に取り組む反面、自己防衛の意識や自己承認の欲急が強く、受け身な傾向にあると言われています。

一方で受け入れ側が新入社員に期待する内容はこれまでと変わらず、両者の間には年々ギャップが広がっています。両者の橋渡し役としてOJTトレーナー・メンターの役割が非常に重要になります。

本ページでは、メンター・OJTトレーナーとして新入社員に関わる上で重要な観点と、必要なスキルを習得するための研修プログラムをご紹介します。

下記のような課題・ニーズにお応えします
  • 役割に対する認識が不足しており、人によって育成方法や成長度合いにバラつきが生じている
  • メンター・OJTトレーナーという役割にやらされ感を感じてしまい、意欲的な新人育成が期待できない

  • 育成・指導スキルが不足し、いくら指導を行っても新人の行動になかなか変化が見られない
  • 画一的な指導をしてしまい、新人のモチベーションが低下してしまっている
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OJTとは、職場での仕事を通じて、主に新入社員のスキルや心構えの開発を促す教育・育成手法のことを言います。日本においては高度経済成長期から浸透しているお馴染みの育成手法ですが、労働力不足が深刻化する昨今、即戦力の育成に効果的なOJTの価値があらためて見直されています。今回は、OJTの重要性やOJT研修の目的・メリット、またOJTを成功させるためのポイントなどについて解説していきます。

OJTとは?

OJTとは、On the Job Trainingの略称で、職場での仕事を通じて新入社員のスキルや心構えの開発を促す教育・育成手法です。

一方で、OJTとは異なる育成手法として、Off The Job Training(職場での仕事を離れて行われる職場外研修)が存在します。

どちらか片方を実施するのではなく、仕事における観点やポイントをインプットする場としてのOff the Job Training、実践及び血肉化の機会としてのOn the Job Trainingを組み合わせることで、効果的な教育・育成が実現できます。

OJTトレーナーとは?

OJTトレーナーは、OJTにおいて育成対象者に対して、仕事に必要な知識、スキル、スタンスを指導していく役割を持ちます。

業務についての指導も必要であるため、基本的には育成対象者と同じ職場の先輩や上司がトレーナーの役割を担うことが多いです。

メンターとは?

メンターは、OJTトレーナーと同じく人材の教育・育成を目的として育成対象者のサポートを行う役割を持ちますが、OJTの役割が業務における指導的要素が大きいのに対して、メンターは日々の業務に加えて精神的な支援を行う役割を指す場合が多いです。

その場合、OJTトレーナーのように業務の指導をする必要がないため、育成対象者が所属する部署とは異なる部署の先輩が対応することもあります。

OJTトレーナーとメンターの明確な定義の違いは存在せず、会社によってそれぞれの役割が異なるため、本ページでは新入社員の成長を目的としたOJTトレーナー、メンターの役割に共通して必要なポイントをお伝えします。

OJTの重要性と背景

OJTは第一次世界大戦の頃、米国の人材育成の専門家であるチャールズ・R・アレンが生み出した手法だと言われています。当時、造船所で働く作業員の育成が急務となっていたなか、アレン氏は訓練所に頼ることなく造船所の現場監督が新人を直接訓練する手法を考案しました。この手法は「①手本を見せる → ②説明する → ③やらせてみる → ④確認・指導する」という4つのプロセスに沿って短期間で技能を習得させることから「4段階職業指導法」と言われ、OJTの起源になりました。日本では高度経済成長期にOJTが紹介され、その後、時代の流れに合わせて形を変えながら企業研修の基本的な手法として定着していきました。

 

バブル崩壊以前、終身雇用の時代は、企業の人的リソースにも余裕があり、じっくり時間をかけて新人・若手を育成する企業がほとんどでした。しかし、労働力不足が深刻化する現代においては、多くの企業が、新人・若手を育成する時間的・人員的な余裕を持てなくなっています。にもかかわらず、ビジネス環境は急速に変化しており、短期的な成果が求められる時代になっています。このようななかで、即戦力の育成に向いた実践型の人材育成手法であるOJTの意義や価値があらためて見直されており、多くの企業がこれまで以上にOJTに注力するようになっています。

OJTの目的とは

OJT研修をおこなう主な目的についてご説明します。

目的①即戦力の育成

OJTのもっとも重要な目的は、即戦力の育成でしょう。労働力不足が深刻になっている現在、多くの企業は新人に対し、今まで以上に早く仕事を覚えて、現場で戦力になってほしいと考えるようになっています。そこで、即戦力の育成に効果的な手法としてOJTが活用されるのです。

目的②座学では習得できないスキルの習得

座学では習得できないスキルを習得することもOJTの大きな目的の一つです。
口頭で説明したり、資料を読んだりするだけでは身に付かないスキルや、実際に手を動かしたときの感覚などが重視されるスキルの習得にはOJTを活用すべきでしょう。

目的③継続的な組織力の向上

OJTトレーナーになるのは基本的に職場の先輩や上司です。継続的にOJTをおこなうことで、人材を効率的に育成できるだけでなく、「人が人を育てる」という文化が根付いていきます。スキルや専門性が円滑に受け継がれていく風土ができることで、継続的な組織力の向上が見込めます。

OJTに必要な期間

OJTに決まった期間はなく、会社ごとに期間を設定しておこないます。最適な期間は業務内容やビジネスによって、またOJTトレーナーなど教える側の従業員のリソースなどによって変わってきます。そのため、1週間程度でOJTをおこなう企業もあれば、半年、1年という長期でOJTをおこなう企業もあります。特に、新卒社員を対象にする場合は、入社後1年をOJT期間に充てる企業も少なくありません。一般的に、一人で現場に出られるだけの実践力を習得するには、少なくとも3ヶ月は必要だと言われます。そのため、3ヶ月以上というのがOJTの期間設定の目安になるでしょう。

OJTを取り入れるメリット・デメリット

OJTをおこなうメリットとデメリットを、教える側(OJTトレーナー・教育担当者)、教えてもらう側、企業側に分けてご説明します。

教える側(OJTトレーナー・教育担当者)

●メリット

OJTでは、基本的に現場の先輩や上司がトレーナー・教育担当者になります。そのため、教える側もOJTを通して業務への理解度が深まりますし、指導スキル・育成スキルを磨くことができます。「どのように教えれば理解しやすいのか?」といったことを試行錯誤しながらOJTを進めることで、トレーナーや指導者としての成長につながっていきます。

 

●デメリット

OJTトレーナー・教育担当者は、教育計画の作成など、OJTの準備に決して少なくない労力・時間がかかります。しかも、OJT研修だけに専念できるわけではなく、日常業務に加えてOJT研修をおこなうことになります。負担が増大することで業務過多に陥り、本来の業務に支障をきたしてしまうケースもあるようです。

教えてもらう側

●メリット

OJTは実際に業務を進めながら学ぶため、実践的なスキルを効率的に習得することができます。また、分からないことがあればすぐトレーナーに確認することができます。その場でフィードバックを受けられるのもOJTのメリットだと言えるでしょう。

 

●デメリット

OJTのデメリットとしてよく言われるのが、OJTトレーナー・教育担当者のスキルや教え方によって効果に差が生まれてしまうことです。たとえば、同じ部署で同じ期間、2名の新入社員がOJTを受けたとします。その後、現場に配属されたとき、2人のスキルや修練度に大きな差があったというのは、OJTのよくある失敗談です。

企業側

●メリット

OJTをおこなう際、通常は会場や外部講師を手配する必要はありません。企業内で日常業務を遂行しながら実施できるため、コスト面での負担が少なく済むのはメリットの一つだと言えます。また、職場の先輩・上司が後輩・部下に教えるという形なので、必然的に社内のコミュニケーションが活性化します。階層間での壁をなくし、風通しの良い職場をつくるうえでも効果が期待できます。

 

●デメリット

実際の業務のなかで教えていくため、体系的な教育が難しいという側面があります。業務の全体像を把握させるために一定の時間を有してしまいます。また、教える側のリソースが不足していると、OJTが片手間になったり、通常業務の生産性が低下したりするおそれがあります。

OJTの進め方と流れ

OJTの一般的な進め方・流れについてご説明します。

流れ①手本を見せる(Show)

まずは、OJTトレーナーが実際の業務をおこない、その様子を対象者に見せます。対象者は、現場でどのような業務がどのような手順、スピード感でおこなわれているのかを実際に見ることで、業務をより具体的に把握することができます。

流れ②説明する(Tell)

手本を見せた業務について、その意義や目的、内容やポイント、注意点などを説明します。対象者は、見ただけでは分からなかった不明点や疑問点を解消し、業務への理解を深めていきます。

流れ③やらせてみる(Do)

手本を見せて説明しただけでは、対象者がすぐに実践に移せるとは限りません。しかし、OJTでは実際に業務をやらせてみます。

流れ④評価する(Check)

対象者に実際に業務をやらせてみて、OJTトレーナーが「どこまでできるのか?」「どのくらいのスピードでできるのか?」「どの程度の仕上がりなのか?」といった結果を評価していきます。そのうえで、「どうすれば、もっとうまくできるのか?」「どうすれば、もっと早くできるのか?」といったことを考え、改善点をフィードバックしていきます。このときは、改善点だけでなく、良かったポイントなど気付いたことはできるだけフィードバックします。

OJTはPDCAサイクルで

OJTは通常、新入社員が入社するたびに実施するものです。そのため、PDCAサイクルに則って改善を繰り返していくことが重要です。

①Plan:育成計画を立てる

OJTの実施に際しては、まず育成計画を立てます。「誰を、いつまでに、どのような方法で、どのような状態へと育成するのか?」というように目標を明確にしたうえで、対象者、OJTトレーナー(教育担当者)、実施する方法や内容・プログラム、実施期間などを決定していきます。計画なしでOJTを進めると、内容の重複や漏れなどのムダが生まれがちで、育成効果が出にくいだけでなく、教える側の生産性低下にもつながります。

②Do:実施する

計画どおりにOJTを実施します。実施するうえで重要なのは、できるだけ計画どおりに実施することと、進捗や実施した内容、研修中に生じた課題などを記録しておくことです。こうしておくことで、次の「評価する(Check)」の段階で、より精度の高い評価をすることができます。OJTは複数のOJTトレーナーが分担して実施するケースも多いため、それぞれが進捗や課題を把握できるようにするためにも、記録を残すことは重要です。

③Check:評価する

実施した結果を評価します。育成計画がどの程度、成果に結びついたかをチェックするのはもちろん、「なぜ、うまくいかなかったのか?(うまくいったのか?)」という要因を分析することが重要です。

 

また、対象者自身に評価(内省支援)を促すことも重要です。OJTで得たことを対象者が自ら振り返り、うまくいかなかった理由や反省点、良かった点などを考えることは、現場に出て活躍するための大切なプロセスになります。同様に、OJTトレーナーにも内省の機会を設けましょう。OJTを通してトレーナーとして学んだことや反省したことを振り返ることで、次の「改善する(Action)」の段階で、より効果的な改善策を講じることができるはずです。

④Action:改善する

次回以降のOJTをより効果的なものにするための改善をおこないます。仮に、現状のOJTがうまくいっているとしても、毎回同じ内容で実施していると、やがて環境変化や対象者の変化によって効果が薄れ、育成がうまくいかなくなるものです。このような事態を避けるために、毎回、評価の結果を生かし、OJT研修のやり方や内容をアップデートするようにしましょう。

OJTを成功させるためのポイントとは

OJTを成功させるために重要なポイントについてご説明します。

ポイント①OJTトレーナーに任せっきりにしない

OJTトレーナー・教育担当者は基本的に、自らの通常業務に加えて、OJTをおこないます。そのため、業務負荷がかかり、通常業務に支障をきたしたり、OJTがおろそかになったりすることがあります。不満感や不公平感から、モチベーションが低下してしまう可能性も否定できません。そうならないようにするには、OJTトレーナーに任せっきりにせず、周囲のサポート体制をつくることが重要です。たとえば、通常業務を他の従業員に分散させたり、OJTトレーナーを増やして研修を分担できるようにするなどの配慮をするようにしましょう。

ポイント②すべての業務をOJTでカバーしようとしない

すべての業務に関するスキル・ノウハウがOJTによって身に付くわけではありません。OJTに適した業務もあれば、一方でOJTをする意味がない業務もありますし、OJTをする前に座学の研修を受けたり、OFF-JT(Off The Job Training)を受けたりしておいたほうが、効率的にスキルを習得できる場合もあります。何でもかんでもOJTでカバーしようとせず、他の手法も併用しながら育成を進めるべきでしょう。

ポイント③「求める姿」から逆算して計画を立てる

「OJTが終わったとき、どのような人材になっていてほしいのか?」という「求める姿」があってはじめて、OJTでやるべきことが明確になります。OJTをおこなう際は、求める姿から逆算する形で研修の内容・プログラムや順番、スケジュールを計画するようにしましょう。「去年と同じでいいよね」という形でOJTをおこなう企業もありますが、あらためて、求める姿から逆算された計画になっているかを確認してみてください。

ポイント④対象者とOJTトレーナーの相性を考える

OJTは基本的にマンツーマンでおこなうため、OJTトレーナーと対象者の相性が良くないと、コミュニケーションに問題が生じたりして、研修の効果が半減してしまうケースもあります。単純に「教えるのがうまいから」「リソースに余裕があるから」といった理由でOJTトレーナーを選んだり、持ち回りで選んだりすると、失敗に終わってしまうリスクがあります。対象者の経験や性格、考え方などを把握したうえで「嚙み合いそうなペア」を考えるのも大切なポイントです。

メンター・OJTトレーナーの役割

メンター・OJT制度の目的を実現するためには、まず、育成を担当するメンター・OJTトレーナー自身が、適切な役割認識を持つことが重要です。

具体的には、何となく新人の面倒を見る役割ではなく、新人の成長をサポートする役割であることを明確に理解する必要があります。

リンクアンドモチベーション
メンター・OJTトレーナー研修の特徴

メンター・OJTトレーナーとして正しい役割認識を持つと同時に、「支援行動」「動機形成」などの具体的なスキルを習得します。

ポイント①:メンター・OJTトレーナーとして適切な役割認識を持つ

メンター・OJTトレーナーの役割は「何となく新人の面倒を見ること」ではなく、「新人の成長をサポートする」ことであることを明確に理解します。

具体的には、新人を「動機付ける」役割、新人を「正す」役割の2つが重要であることを理解します。

ポイント②:「動機づけ」スキルを習得する
〜個々人に合わせた動機づけによって新人の成長を支援するスキルの習得〜

新人個人個人のタイプに合わせた育成アプローチをする重要性を理解します。また、動機づけを行う際に必要な観点を理解し、演習を通じてスキルを習得します。

ポイント③「正す」スキルを習得する
〜内省を通して新人の成長を支援するスキルの習得〜

指導する際に新人が「表出した言動」を鵜呑みにするのではなく、言動の背景にある「意識や考え」にアプローチする重要性を理解します。

新人を「正す」うえで重要なポイントを理解し、演習を通じてスキルを習得します。

OJTトレーナーに求められるスキルと育成のポイント

OJTトレーナーが新人育成において果たすべき役割は、「業務指導」「支援行動」「動機形成」の3つに分類されます。

それぞれに対して、具体的なスキルを習得することで新人に対して効果的な育成を行うことができるようになります。

※「業務指導」に関しては専門性・個別性が高いため、「動機形成」「支援行動」の2つの領域に関して、研修などで強化することが一般的です。

「業務支援」

・知識やスキルを提供してくれる

・業務の相談に乗ってくれる

・業務に必要な情報を提供してくれる

「動機形成」

・自分の感情や気持ちに寄り添ってくれる

・落ち込んでいるときに励ましてくれる

・前向きになる考え方を教えてくれる

「支援行動」

・成果が出るように正しい方向に導いてくれる

・同じミスを繰り返さないように原因分析と概念化を支援してくれる

・ビジネスにおいて持つべき仕事への向き合い方を教えてくれる

メンター・OJTトレーナーにおける陥りがちな状態

メンター・OJTトレーナーは、下記のような状態に陥りがちです。

陥りがちな状態①:メンター・OJTトレーナーの役割に対する認識不足

メンター・OJTトレーナーとしての役割が正しく認識されておらず、人によって育成方法や担当新人の成長度合いにバラつきが生じてしまいます。

また、結果として、メンター・OJTトレーナーという役割にやらされ感を感じてしまい、意欲的な新人育成が期待できません。

陥りがちな状態②:育成力・指導力不足

メンター・OJTトレーナーとして、新人のスキルや状況に合わせた効果的な指導方法を理解していないため、いくら指導を行っても、新人の行動になかなか変化が見らられない、といった状況に陥ります。

陥りがちな状態③:画一的な指導方法

担当新人の特性に合わせて関わることの重要性を理解していないため、「昨年と同じように」といった形で新人に対して画一的に関わってしまいます。

結果として担当している新人のモチベーションが低下してしまいます。

リンクアンドモチベーションのメンター・OJTトレーナー研修

メンター・OJTトレーナーとして正しい役割認識を持つと同時に、「支援行動」「動機形成」などの具体的なスキルを習得します。

ポイント①:メンター・OJTトレーナーとして適切な役割認識を持つ

メンター・OJTトレーナーの役割は「何となく新人の面倒を見ること」ではなく、「新人の成長をサポートする」ことであることを明確に理解します。

具体的には、新人を「動機付ける」役割、新人を「正す」役割の2つが重要であることを理解します。

OJTトレーナーとは? OJTトレーナーの役割

新人個人個人のタイプに合わせた育成アプローチをする重要性を理解します。また、動機づけを行う際に必要な観点を理解し、演習を通じてスキルを習得します。

ポイント③:「正す」スキルを習得する

指導する際に新人が「表出した言動」を鵜呑みにするのではなく、言動の背景にある「意識や考え」にアプローチする重要性を理解します。

新人を「正す」うえで重要なポイントを理解し、演習を通じてスキルを習得します。

リンクアンドモチベーション
メンター・OJTトレーナー研修で目指す姿

メンター・OJTトレーナーとして新人育成の重要性と役割を正しく理解している

  • なぜ新人を育成しなければいけないのかという、新人育成の意義を改めて理解した上で、OJTトレーナーとして、新人育成に前向きになっている。
  • その上で、OJTトレーナーとしてどのような役割を果たすべきか、新人にとってどのような存在になるべきかを理解している。

メンター・OJTトレーナーとして指導方法を体系的に理解している

  • OJTトレーナーとして、新人にどのように接するべきかを理解し、その手法について、理解している。
    ①新人を「正す」手法
    ②新人を「動機付ける」手法

研修プログラム例

プログラム(1日目/2日間)
目的 内容
モチベーションリソース理解

エクササイズ グルーピングをしてみよう
◇部下の「働く目的(根源)」をつかむ重要性を理解する
◇4つのモチベーションリソースを理解する
◇マネジャーがマネジメントすべき3つのリソースを理解する

 

ワーク モチベーションリソースの自己分析
◇モチベーションリソースの理解を深める

 

タイプに合わせてモチベーションリソースをマネジメントするスキルの理解

ケース 仕事を魅力的に語れ!
◇モチベーションタイプを理解する
◇タイプに合わせてモチベーションリソースを魅力的に伝えるポイントを理解する

エクササイズ モチベーションタイプの自己分析
◇自己理解を通して、モチベーションタイプをより深く理解する

 

エクササイズ 新入社員との面談①
◇モチベーションリソースの魅力を高めるスキルを実践する

 

ケース 亀丸くんへのアドバイス
◇モチベーションリソースを満たすための働きかけのポイントを理解する

 

エクササイズ 新入社員との面談②
◇モチベーションリソースを満たすための働きかけのポイントを実践する

 

総括
プログラム(2日目/2日間)
目的 内容
マネジメントの分類の理解

ケース どんなアドバイスをしますか?
◇指導力向上のためには、部下の課題解決能力に応じてマネジメントスタイルを使い分ける必要がある
◇最も重要なのは、部下の認識がずれているときに、認識を“正す”マネジメントを行うことである

 

“正す”コミュニケーションスタイルの習得

ケース 部下Aさんの困惑
◇“正す”べき対象を知る
表層レベルでの言動を正すのではなく、その言動の背景にある深層レベルでの前提を正す必要性に気づく

 

ケース 新人Bさんの仕事振り
◇“正す”コミュニケーションの構造に慣れる
部下の言動から「暗黙の前提」を見抜き、土台とすべき望ましい前提を提示する

 

ケース 仕事の哲学
◇部下の“べき”“どうせ”思考を正すために望ましい前提(哲学)をもつ必要性を知る

 

エクササイズ picture quiz
◇視界が変わると見えるものが変わることを体感する

 

レクチャー スイッチ&フォーカス
◇押し付けではなく部下の納得を引き出す観点を知る
◇部下の視界を切り替え、変化をスムーズに引き起こす手法を習得する
・タイムスイッチ
・ズームスイッチ
・ゴールフォーカス
・チャンスフォーカス
・リスクフォーカス

 

ケース 部下Cさんの営業スタイル
◇“正す”コミュニケーションの技術を活用した演習を行う
架空の部下に対して“正す”コミュニケーションを実践する

 

日常と接続させる ワーク 日常との接続
◇自分の部下に対して“正す”コミュニケーションを実践する
グループ内でアドバイスをし合い“正す”コミュニケーションの技術を高める
総括

受講者の声

  • 私自身2年目で業務的に教えられることに限りがあることに不安がありましたが、今回の研修で内省支援、精神支援について学ぶことができたため、そこから自分にできることを行っていこうと思えました。
  • 新人トレーナーが初めてで新入社員と年齢が離れてしまっておりどう接していいかわからない不安がありましたが、今回の研修で方向性を考えることができました。
  • 日常の業務では忘れてしまいがちな部下とのコミュニケーションの方法や自分自身を見つめなおすことが出来て、今後の業務にすぐにでも役立つ内容でした。
  • モチベーションタイプとその対応方法や自己分析などを通じて整理できることができてよかったです。またグループワークでほかのマネージャーとも意見交換ができて多くの気づきがありました。
  • 実務で役立つコミュニケーションの参考となりました。また仕事以外でもつかえる、コミュニケーションの根本である「人それぞれにモチベーションがある」を具体的に学ぶことができました。

まとめ

近年、就職先・転職先を選ぶ際に、OJT研修などの教育体制が充実しているかどうかを重視する人が増えています。労働力不足がますます深刻化する今後、企業が優秀な人材を獲得し、早期に戦力化するためには、OJT研修が欠かせないものになっていくはずです。人材確保、そして人材育成のため、より効果の高いOJT研修を実施していきましょう。

講師情報・メッセージ

メンター・OJTトレーナー研修
研修講師/儘田 真弓
講師メッセージ:
プログラムでは、2つのことを大切にしています。
1つ目は、研修を通して付与されるスキルは「相手から引き出すスキル」が中心で、若手社員の自立と自律を醸成することを大切にしています。また、汎用性が非常に高いスキルなので、トレーニー、メンティ以外の人材に対しても日常的に使えるものです。
2つ目は、OJTトレーナー・メンター自身がこの役割を担うことが自分にとって成長の機会に繋がるということを、自らの言葉でその役割や自分にとっての最終ゴールを言語化してもらうことを通して認識していただくことです。

研修内容について:
本研修は、おもにOJTトレーナー・メンターとして若手社員と関わる中堅社員を対象に、育成のポイントである「動機形成」、「支援活動」を強化するプログラムになっています。
OJTトレーナー・メンターは、会社と若手社員の橋渡し役を担いますが、「その役割に対する認識やスキルの不足が起きている」「画一的な指導により両者のモチベーションが低下している」といった状態が散見されます。本研修では、OJTトレーナー・メンターとしての適切な役割認識を獲得し、個々人のタイプに合わせた動機づけスキルや若手の価値観に迫ったチューニングするスキルを、演習を通じて習得していきます。
その結果、OJTトレーナー・メンターとしての若手育成の重要性と役割を理解し、指導方法を体系的に習得することを目指します。
よくいただく質問

■リンクアンドモチベーションの研修の特徴は?

弊社では2001年より、企業に対するコンサルティングで培った ノウハウやセオリーを定式化し、教育研修を開発しています。 実際の職場での活用・実践を前提とした内容に加え、 体感型ゲームやグループワークなどを中心とした “楽しみ”ながら“学ぶ” 体感型の「エデュテインメントプログラム」 となっていることが特徴です。 また、弊社の基幹技術である モチベーションエンジニアリングを用いることで 単なる知識提供や意識変革ではなく、 参加者の「行動変革」を実現する研修となっています。

■研修プログラムの種類はどんなものがある?

「新入社員研修」や「管理職研修」といった階層別の研修から 「リクルーター研修」や「営業力強化研修」といったテーマ別の研修まで 企業様のニーズに合わせて幅広く実施しております。

■プログラム内容について相談することは可能?

可能です。 リンクアンドモチベーションの研修プログラムは、 企業様のご状況・ご要望に合わせてカスタマイズし、 ご参加者の行動変化が促進されるような 最も効果的な形でご提供させて頂いております。

■研修プログラムの費用はどの程度?

研修内容・実施人数によって費用は大きく異なります。 詳細は、お問い合わせページよりご相談下さい。

■研修プログラムの実施事例はある?

様々な規模・業界の企業様にサービスをご提供しております。 詳細は、実施事例ページよりご確認下さい。

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