OKRとは?MBOとKPI違いとは?導入メリットや運用方法を解説 | リンクアンドモチベーション(組織開発・人材育成・研修)

Googleやメルカリなどの有名企業でも導入されているOKRについて、どのように運用すればよいのか、そもそもMBOとの違いとは何なのか気になっている方もいるのではないのでしょうか? OKRは海外で主に活用されている仕組みなので、日本には合わないと敬遠している方もいると思います。そんな方々のためにOKRとは何か、メリットなどをご紹介し、より良い組織創りに活かしていただければと思っております。 ▼【リンクアンドモチベーションのサービス特徴】が分かる資料はこちら サービス紹介資料ダウンロード  

OKRとは

OKRは「Objectives and Key Results」の頭文字からきた略語です。OKRの構成は非常にシンプルで、1個の目的(O)と2~5個の重要指標(KR)で構成されます。 つまり、定性的な「何を目指すのか」という目的と定量的な「どのように目的を達成するのか」という重要指標の両方を併せ持つことが重要なポイントになります。

■Objectives(目的)

世の中のほとんどの企業ではMission/Vision/Valueのように組織として目指す姿の共通認識を持っています。OKRにおける「Objectives」を設定する上で重要になるのは、長期ではなく、3か月くらいで目指す姿を設定することです。その上で設定するためのポイントが3つあります。

①挑戦的であること

変化の激しい時代において、組織としても個人としても成長し続けるためには、現状維持ではなく、少し背伸びをした目的を置く必要があります。そのため、目的は「達成したらすごい!」と思えるものにする必要があるのです。

②魅力的であること

組織で目的を果たすためには、メンバーがどれだけワクワクするか、達成したいと思えるかが重要になります。ひとり一人が本気で熱くなれる目的を掲げることで組織のパワーは最大化されるのです。そのためには、目的を平易でわかりやすい表現で伝えるようにする必要があるのです。

③一貫性をもつこと

目的は全社、部署、チーム、個人のように様々な範囲で切り取って設定することができます。ただし、組織の縦と横の関係の中で繋がりのない目的を置いてしまうのは本末転倒です。 そのため、全社の目的を果たすために部署の目的があり、部署の目的を果たすためにチームの目的があるように、間の漏れやズレが生じない一貫性のある目的設定をすることが必要となります。

■Key Results(重要指標)

OKRにおける「Key Results」を設定することは、言い換えると、目的達成に繋がる重要な結果指標を選ぶことと言えます。つまり、戦略的にどんな基準で何を重要な結果指標とするかを選ぶ必要があるのです。その上で設定するためのポイントが4つあります。

①目的とリンクしていること

重要な結果指標は目的と結びついている必要があります。市場の変化に対応し、目的を達成するために今必要な指標を選択する必要があるのです。

②定量的に計測可能であること

達成における共通認識を取るためには、計測可能であることが必要です。誰かが成功したと思っていても誰かが失敗していると思ってしまうような定性的で曖昧な指標では判断基準として成立しません。 したがって、組織内の誰であっても認識がズレない、定量的で具体的な判断基準である必要があるのです。

③ギリギリ達成可能であること

目的達成に向けては、何を指標にするかに合わせてどこまで目指すのかを決める必要があります。ただし、挑戦的であり、魅力的である目的を達成するためには指標も同様です。 高い指標を掲げてやる気を損なってしまったり、低すぎて全力を出すまでもない指標ではなく、ギリギリ実現できそうだというラインの指標を設定する必要があるのです。

④重要なものに絞ること

人間は多くのことを一気に記憶することが難しい生き物です。したがって、指標がたくさんあっても集中力が分散し、結果何も達成できないということが発生してしまいます。つまり、本当に重要な指標を3つ程度に絞って設定することが必要になるのです。

■なぜ今OKRが求められているのか?

振り返り評価やMBOなど目標管理のツールは様々ありますが、なぜOKRが重要視されているのでしょうか。去年流行ったゲームアプリや商品が現在では名前すらも忘れられていることがあるように昨今のビジネス環境の変化は著しく激しくなっています。 そんな時代において、年に1回、あるいは半年に1回のサイクルで目標設定及び、評価を実施していては変化の波に置いていかれてしまいます。 OKRは短サイクルでの目標設定及び、評価を行い、「実現すべき目的、意義(To be)」まで含めた意義目標までを設定します。それにより、変化に対応できるとともに組織の構成員のモチベーションの極大化を図ることも可能になるのです。 ビジネス環境の変化が激しい時代において、各チームが意義や目的に立ち返り、時に成果目標の観点や水準を見直す必要があるのです。  

OKRとMBOとKPIの違い

OKRと同様に目標管理ツールとして使われるのがMBO(Management By Objectives)やKPI(Key Performance Indicator)です。OKRやMBOが個人の目標管理を目的にすることが多い一方で、KPIは組織の業績目標の達成に向けた重要指標であるため、少し毛色が異なります。ここでは、OKRとMBO、KPIの違いを5つの観点で解説していきます。

①目標管理の目的

MBOを使用するの主な目的は、人事評価を行うための手段となっていることが一般的です。一方、OKRの目的は組織の成長であり、より高い目標を達成することが求められます。したがって、OKRのKR(重要指標)は人事評価から切り離す必要があります。

②目標の設定頻度

MBOの目標の設定頻度は1年に1回が一般的です。一方、OKRは3か月に1回の頻度で目標を設定します。したがって、OKRの方が環境や市場の変化に柔軟に対応することができると言えます。

③レビューの頻度

MBOでは年に2回ほど、上司から部下へのフィードバックを行うという形で進捗管理を行うことが一般的です。しかし、年に2回しか目標に立ち返る場面がないので目標が形骸化することが多々あるのが問題になります。 一方、OKRでは週に1回の1on1MTGなどで多頻度の振り返り機会が儲けられます。したがって、より目標に集中して取り組むことができるようになると言えます。

④目標と進捗の共有範囲

MBOでは上司と部下の間でのみ目標に対する進捗の共有がされます。そのため、部分的な切り取り方をしてしまい、全社との整合性を把握することが難しくなる恐れがあります。 一方、OKRでは社員全員に進捗が共有されるので、健全な競争や協力が生じ、また自分の仕事と会社の業績との繋がりも見えるようになり、社員のモチベーション向上に繋がると言えます。

⑤目標達成の測定方法

MBOでは掲げた目標を上回ったかどうか、100%を上回ったかが達成の基準になります。一方、OKRでは挑戦的な指標設定を行うため目標を達成できないことがよくあります。したがって、指標を60~70%以上達成していれば合格とみなすことが一般的になっています。  

OKRのメリット

OKRを設定する上でのポイントやMBOの違いなどを説明してきましたが、OKRを活用することでいったいどのようなメリットがあるのでしょうか。 OKRの設定の目的にもありましたが、OKRには組織の成長を促進するための仕組みが組み込まれています。それも踏まえて、組織のリーダーにとってOKRを活用する6つのメリットを紹介していきます。

①戦略立案と整理ができる

組織のリーダーである人は組織をどこにどう導くかという戦略を立てる必要があります。その際、OKRを設計することは、どこに(目的の決定)どう(重要指標の選択)向かうかを整理することができるのです。 また、これはメンバーに伝わるものでなければならないので、OKRに落とし込むことでそれが可能になると言えるでしょう。

②メンバーを導くことができる

組織をどこに導くかを提示することでリーダーシップの一歩目を踏み出すことができます。しかし、明確にわかりやすく行き先を提示することは簡単ではありません。OKRの設計において、目的(O)を設定することやそれを発信し続けることで仕組みとして組織のゴールを提示することが可能になるのです。

③緊張感を保つことができる

リーダーからの指示や管理を受けるメンバーは自分のできる限りのことを遂行しようと奮闘しますが、人間である以上弱い気持ちに負けてしまうこともあるでしょう。 それはメンバーの動きが可視化されていないことが原因で生じることが多々あります。OKRでは全社員に情報が公開されるので、仕組みとしてほどよい緊張感を与えることができます。

④マネジメントを仕組み化できる

目標を達成するための経験やスキルは1日や2日で身につくことではありません。それをリーダーから教えられたとしてもすぐに結果に反映されることは稀です。 OKRでは、フィードバックなどのコミュニケーション方法がある程度型化されているため、今やるべきことが常にOKRという共通言語によってズレなく伝えることができます。このように、仕組みとしてメンバーのマネジメント機会を提供してくれるのです。

⑤メンバーの創造性を引き出せる

OKRにおけるObjectives(目的)は他の目標管理ツールの目標と比較して、抽象的とも言えます。これによってメンバーの創造性を引き出すことが可能になります。 抽象的な目的は人によって解釈が異なり、その目的に対する打ち手(重要指標)はメンバー自身で考えることができるようになります。このようにメンバーからも意見が出やすいという仕組みが組み込まれているのです。

⑥経営者の感覚に近づくことができる

MBOなどの目標管理ツールでは達成基準が100%であるため、評価を上げるために恣意的に低い目標設定を行う可能性があります。ただし、OKRでは挑戦的で魅力的な目的を掲げ、その目的を果たすための絞った目標を達成する必要があります。自ら目的を掲げ、到達するまでの目標を考えるという経営者に求められることを実践することができるのです。  

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OKRの運用方法

それでは実際にOKRをどのように設計し、どのように運用していくのかを見ていきましょう。 OKRを設計し、運用していくためには大きく3つのステップが必要になります。

①目的(O)を設定する

まず始めに定性的な企業目標(意義目標)と、それに紐づく部署・チーム・個人に落とし込み、細分化した目標設定を行っていきます。ここで重要なポイントが「一貫性」です。企業全体から個人まで目標に乖離がないかを確認しましょう。 また、人事評価にMBOなどの目標管理を組み込んでいるため、達成できそうな目標やわざと基準を落とした目標設定を行ってしまうことで、結果的に達成しても意味のない目標になってしまうことがあります。ここで重要なポイントは「挑戦的」「魅力的」です。 ぎりぎり達成でき、達成できたら嬉しい目標設定を行うことが大切です。

②重要指標(KR)を設定する

定性的な企業目標(意義目標)が設定できたら、成果目標(重要指標)を設定していきます。1つの目標に対して3つくらいの成果目標を置き 、定量的で計測可能な指標を設定します。実施期間は1ヶ月や四半期ほどの期間のサイクルで設定し、各組織が独立して達成できる指標を設定します。 これらを踏まえてOKRの例を2つほど紹介します。 【例①:サブスクリプション型の事業を行っている企業】 目的(O):1か月間の売上を伸ばす 重要指標(KR): 1.新規顧客として毎月1000人の顧客を獲得する 2.継続率を90%以上に保つ 3.顧客単価を1000円以上にする 【例②:店舗型のビジネスを行っている企業】 目的(O):1か月間の売上を伸ばす 重要指標(KR): 1.顧客単価を300円高める 2.稼働率を10%高める 3.廃棄物を10%減らす

③成果の測定と評価

先ほどお伝えした通り、成果の測定を1ヶ月や四半期ほどのサイクルで行い、その結果から進捗状況を可視化することで状況や対策も含めて企業内でのコミュニケーションが活性化されます。 また、四半期の段階で評価のフィードバックを行う際には、目標自体が妥当であるかどうかの見直しも行い、企業目標とのズレが発生している場合には目標の変更を行います。

OKRを効果的に運用し続けるポイントとは?

OKRを効果的に引用し続けるポイントとしては、成果と能率の両方を踏まえることがポイントです。成果だけ、能率だけに偏ってしまうと、効果的な運用がなされない場合があります。

ポイント①:目標を見える化する

OKRを効果的に運用し続けるポイントの1つ目としては目標の見える化があります。 目標を見える化せずに運用してしまうと、目標とズレたパフォーマンスを発揮してしまうことや、指標の達成が目的化し、能率が下がってしまうことがあります。 指標を定めている背景を意識できる環境を整えることが、成果と能率を高める上ではポイントとなります。

ポイント②:定期的にフィードバックを行う

OKRを効果的に運用し続けるポイントの2つ目としては定期的なフィードバックを行うことが挙げられます。OKRの特徴として、上司部下間での多頻度な振り返り機会と記載しておりますが、このフィードバックを通じて、目標を再度意識させるといった能率の充足や、指標達成のための修正行動を議論し成果を高めるといったことを行うことがポイントとなります。 また、事業環境の変化が早い企業の場合には、目標を適切に見直すことがポイントです。 定期的な面談の中で、環境変化と成果創出のポイントをすり合わせ、適切に指標を更新していくことで、効果的に運用させることができます。

OKRの導入例

本章では、実際にOKRを組織内で運用しているGoogleとメルカリを事例に紹介します。

Google

Googleは2000年代初めにOKRを導入し、現在は1年単位と四半期単位でOKRを設定し、全社を対象としたミーティングを四半期に一度開いてOKRの公開と評価を行っています。 実際の運用に関して、少しブレイクダウンして紹介します。Googleではスコアリングという手法を取り入れています。 これは、Key Resultsの達成度合いに応じてスコアをつけるもので、Googleでは0.0~1.0のスコア幅で表します。 例えば、組織目標である「市場シェア80%を達成する」を実現するために、下記のようなOKRを設定し運用します。 Objective: サービスαの収益の成長を加速させる Key Results: ・3つの業界でイベント講演を行い、サービスαの市場けん引力を再構築する ・トップユーザー50人を特定し、個人的に働きかける ・ユーザーのエラー報告に対する応答時間を30%短縮する 四半期の終わりに結果を0.0~1.0でスコアをつけます。上記の場合、3つのKRに対して個別に評価し、およその平均に基づいて目標を評価します。 上述したように、OKRの最適な達成率は60~70%です。 達成率がこれよりも高い場合は目標が低すぎた可能性があります。また、これよりも低い場合は、組織が十分な成果を挙げていないことを意味する可能性があります。

メルカリ

国内でOKRを導入している有名な企業としてはメルカリが挙げられます。メルカリでは、日本ではOKRという言葉自体がほぼ知られていなかった2015年からOKRを導入しています。 メルカリの場合には、OKRの達成度合いではなくプロセスを評価するという仕組みをとっています。実際に、メルカリのOKRの評価に関しては2つの軸があります。 1つ目が、メルカリのバリューである「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」を実現できているかどうかです。 2つ目は、OKRを達成するプロセスの中で見られた成果やパフォーマンスです。 そのため、メルカリでは達成率が50%程度になるようにOKRを設定します。 その分「ワクワクするOKRにする」というコンセプトを置いています。 メルカリでは、四半期の終わりにOKRに対して自己評価を行い、その後マネジャーとの振り返り面談を行っています。その後、各マネジャーが集まり、メンバーの評価を共有しつつ目線をあわせるキャリブレーションMTGを行って最終的な評価を決定しています。 このようにして、マネジャー間でOKRの基準感をすり合わせ、メンバーが設定するOKRの適切さをフィードバックしていきます。

記事まとめ

いかがだったでしょうか。変化の激しいビジネス環境において、OKRは企業の目指すべき場所にたどり着くために必要不可欠なツールになります。 意義深い目標設定を行い、それを達成するための重要な指標を設計し、それを短サイクルでアジャイルしていくことで目標までの最短距離を創っていきましょう。 参考: 書籍「THE TEAM 5つの法則」麻野耕司 著 書籍「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」奥田和広 著

著者プロフィール

  
小川 隼汰
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・ベンチャー企業向けのコンサルティングに従事。 「新卒採用の戦略設計及び、実行支援」「企業理念の策定及び、浸透支援」など主に組織人事に関わる領域で教育/福祉/IT/小売業界など数多くの業界の企業を支援してきた経験を持つ。
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