メラビアンの法則とは?重要性やビジネスへの活用方法を簡単に解説



みなさんは『メラビアンの法則』をご存知ですか?

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者であるアルバート・メラビアンが提唱した法則で、コミュニケーションに関するセミナーや研修でよく話される「人は見た目が9割」という言葉の根拠として語られる法則です。

しかし、実はこの理解は間違った解釈で、メラビアンが伝えたかった内容とは異なっています。この記事では、『メラビアンの法則』の正しい意味と、ビジネスや人間関係にどう正しく活かせるのかを解説します。

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メラビアンの法則とは

セミナーや研修など、コミュニケーションスキルを学ぶ際によく耳にする『メラビアンの法則』とは何なのか、歴史から説明します。

■メラビアンの法則の歴史

『メラビアンの法則』とは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者であるアルバート・メラビアンが1971年に著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』にて発表された法則です。

メラビアンによると、対面のコミュニケーションは

・言語情報(Verbal)
・聴覚情報(Vocal)
・視覚情報(Visual)

の3つの要素で構成されています。

メラビアンは、話者がこれらの3つの要素においてそれぞれ矛盾した内容を発している状況で、相手はどのように意味を受け取るのかについて実験しました。その結果メラビアンが発見した法則が、『3Vの法則』または『7-38-55のルール』と呼ばれるもので、一般的に『メラビアンの法則』として知られています。法則の詳細は後述します。

■メラビアンの法則の構成要素

先述したように、メラビアンによると対面のコミュニケーションは言語情報(Verbal)、聴覚情報(Vocal)、視覚情報(Visual)の3つの要素で構成されています。ここでは構成要素それぞれの特徴について説明します。

・言語情報(Verbal)

言語情報は、相手が話している言葉の意味や、言葉によって形作られた話の内容など、言語によって得られる情報のことを指します。このようなコミュニケーションのことを「言語コミュニケーション」または「バーバルコミュニケーション」といいます。

・聴覚情報(Vocal)

聴覚情報は、話者が発する声の大きさ、トーン、口調などの話し方やスピードといった、耳に入る音声から得られる情報のことを指します。このように、言葉以外の手段でメッセージを伝達するコミュニケーションのことを「非言語コミュニケーション」または「ノンバーバルコミュニケーション」といいます。

・視覚情報(Visual)

視覚情報は、話者の態度や表情、目線、身振り手振りといった仕草など、視覚で得られる情報のことを指します。聴覚情報と同じく、言葉以外の手段でメッセージを伝達するコミュニケーションなので「非言語コミュニケーション」に分類されます。

■7-38-55ルールについて

『7-38-55ルール』とは、『メラビアンの法則』『3Vの法則』の別名です。「好意・反感などの感情や態度を表すコミュニケーション」において、話者が「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つの要素について、それぞれ矛盾した内容を発している場合、言語情報が占める割合は7 %、声のトーンや口調など聴覚情報は38 %、ボディーランゲージなど視覚情報は55 %であるという法則です。

実際にメラビアンが行った実験内容を見てみましょう。

実験では、まず「好意」「反感」「中立」からイメージされる単語を3つずつ選び、それら9つの単語をそれぞれ「好意」「反感」「中立」の声色でテープレコーダーに録音します。それに加えて「好意」「反感」「中立」をイメージさせる表情をした顔写真を1枚ずつ用意しました。

被験者は写真を見ながら録音した音声を聞き、どのような印象を感じたかを回答します。この実験を繰り返すことで、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」が矛盾する状況で表現された場合、受け手は3情報のうちどれを一番重要視するかを調べました。

具体例を出すと、悲しい顔の写真に楽しそうな声で「嬉しい」という言葉を聞いたとき、被験者が「悲しい」と判断したならば、視覚情報からのインパクトのほうが大きい、という解釈になります。

その結果、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つのうち1つでも発信しているメッセージが一致しない場合には、視覚情報(55%)>聴覚情報(38)>言語情報(7%)の順番を優先して意味を受け取るという結果が出ました。

■メラビアンの法則における具体例

「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」が矛盾する状況で相手はどんな印象を受けるのか、具体的な例をご紹介します。

・笑ながら叱る

3つの要素で考えてみると、

視覚情報:笑っている=プラスの情報
聴覚情報:低いトーン、怒った声=マイナスの情報
言語情報:叱られている内容=マイナスの情報

55%を占める視覚情報がプラスになるので、「怒っていない」という印象が強くなります。従って、相手は「怒ってはいるけど、本気ではないのかな」と受け取る場合が多くなります。

・納得のいかない表情で褒める

3つの要素で考えてみると

視覚情報:不満そうな態度、表情=マイナスの情報
聴覚情報:明るいトーン=プラスの情報
言語情報:褒められている内容=プラスの情報

「笑ながら叱る」とは反対で、視覚情報である55%が「不満そう」というマイナスな情報になります。この場合、「本気で褒めてないな、無理に褒めようとしているな」を感じる方が多いでしょう。



非言語コミュニケーションの重要性

コミュニケーションには言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションという2つの種類が存在します。ここでは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションそれぞれの特徴や、なぜ非言語コミュニケーションが重要とされているのかについて説明します。

■言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションとは

・言語コミュニケーション

先ほどご紹介したように、言語コミュニケーションとは相手が話している言葉の意味や、言葉によって形作られた話の内容など、言語によって意味を伝えるコミュニケーションのことを指します。

言語コミュニケーションは「言葉」を使ったコミュニケーションなので、必ずしも音を伴う必要はありません。具体的には、手紙やメール、筆談等が挙げられます。言葉だけでメッセージが相手に伝わるという点が、非言語コミュニケーションとの違いです。

・非言語コミュニケーション

聴覚情報や、視覚情報など、言葉以外の手段でメッセージを伝達するコミュニケーションのことを指します。

話者が発する声の大きさ、トーン、口調などの話し方やスピード、話者の態度や表情、目線、身振り手振りといった仕草などといった、五感を使ったコミュニケーションです。言語コミュニケーションに比べて様々なチャネルから多くの情報を相手に与える事ができる点が、言語コミュニケーションとの違いです。

■「話の内容よりも見た目が大事」というのは誤解

『メラビアンの法則』の割合だけに注目すると、言語コミュニケーションである言語情報が7%、非言語コミュニケーションである聴覚情報と視覚情報が合わせて93%なので、「非言語コミュニケーションのほうが重要である」「人は見た目が9割」などと勘違いされてしまうことが多いです。

しかし、それは間違った解釈です。ポイントは「話者が言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つの要素について、それぞれ矛盾した内容を発している場合のメッセージ伝達において」ということです。

メラビアンの法則は、「好意・反感などの感情や態度を表すコミュニケーション」において「3つの要素に矛盾が生じている」場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」という事を言っているに過ぎません。

矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方、というこの前提を省いて理解している人が多いため、「人は見た目が9割」という間違った解釈が広まってしまいました。

■非言語コミュニケーションは重要なのか?

先述したように、『メラビアンの法則』は「好意・反感などの感情や態度を表すコミュニケーション」において「3つの要素に矛盾が生じている」場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」という法則です。

これは、逆説的に捉えると言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つの要素が発する情報を一致させることが最も効果的に相手にメッセージを伝えられるということです。言葉で褒めていたとしても、声音や態度が怒っているように見えてしまえば、心から褒めていても相手は間違って捉えてしまいます。

そのような状況を防ぐために、言語コミュニケーションだけではなく非言語コミュニケーションも意識することは重要です。

メラビアンの法則をビジネスで活用するには

『メラビアンの法則』を正しく理解していれば、ビジネスでも活用することができます。ここでは具体的な活用方法をご紹介します。

■活用方法①アポイントメント

顧客とのアポイントメントは、言葉・表情・声のトーンの分かる対面が望ましいでしょう。特に、初回のアポイントメントや商談のクロージングなどは対面が効果を発揮します。

実際に顔を合わせてコミュニケーションをとると、言語情報・聴覚情報・視覚情報の全てのチャネルから情報が得られるため、「顧客がどう感じているのか?」を最も察知しやすいのです。また、こちらのメッセージも伝えやすいので、態度や身振り手振り、声のトーンなどを意識しながら対応しましょう。

しかし、昨今は新型コロナウイルスの影響で、対面でのアポイントメントは難しく、オンライン会議の場合も多いです。オンライン会議では実際に会うよりも、相手が画面に近づきすぎて身振り手振りが見えにくい、表情が読み取りにくいといった理由から、非言語コミュニケーションがとりにくいです。

従って、オンライン会議の際は身振り手振りが少しでも見えるようにカメラの位置を調整したり、いつもよりも声のトーンや表情に緩急をつけて表現すると良いでしょう。

■活用方法②電話

電話は、相手の態度や仕草など視覚情報のないコミュニケーションです。視覚情報がなくても、聴覚情報・言語情報を合わせると45%あるため、ある程度の感情や本心を伝えることができます。

視覚情報がないからこそ、より「言葉」「声のトーン」などが、メッセージを伝える際に重要です。そのため、なるべく伝わりやすい言葉を使い、身振り手振りで感情を表現できない分、少しオーバーに抑揚をつけて話すとよいでしょう。

また、会話のテンポや間のとり方から、表情の微妙な変化を伝えられる場合もあります。言葉で伝えられないニュアンスは、テンポや間のとり方を工夫することで伝わることもあるので意識してみましょう。

■活用方法③メール

メールは言葉のみで伝えるコミュニケーションのため、事務的な連絡や、言われただけでは覚えるのが難しい日時、番号、細かな情報のやり取りなどに適した方法です。

対面コミュニケーションと違い、言語情報の側面だけで相手は全てを判断するため、文章の見やすさや言葉遣いなど、いつも以上にマナーに気を付ける必要があります。

一方、メールはビジネスにおいて最も使用されるコミュニケーションツールであり、ずっと形として残るメッセージでもあります。感情にも配慮したメールを送ることで、「この人とのやりとりは楽しいな」「嬉しいな」と思ってもらえるようなきっかけを創ることができれば、相手に好印象を与えるチャンスが広がることもあります。

メラビアンの法則を活用する際のポイント

メラビアンの法則は、「好意・反感などの感情や態度を表すコミュニケーション」において「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つの要素に矛盾が生じている場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」という法則です。

逆に言うと、「3つの要素全てにおいて発信するメッセージが揃っている場合」が最も相手に伝えたいことが伝わるということです。この3つの要素を揃えるためのポイントを紹介します。

■注意点①表情を豊かに、身振り手振りも加える

メラビアンの実験から分かるように、同じ言葉を話していても、表情や態度が異なれば逆の印象を与えます。

例えば、肯定の気持ちを相手に伝えたい時、「そうだね」と笑顔で頷きながら言った場合、相手は「肯定してくれた」と捉えるでしょう。しかし無表情で、頷きもせず「そうだね」と言った場合、相手からは「どう思っているのか分からない」「肯定していない」と思われてしまいます。

自分が伝えようとしているメッセージを確実に伝えるためには、できるだけ表情を豊かに、身振り手振りも加えて話すことで言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つの要素を一致させることを心がけましょう。

■注意点②言葉に感情を込める

抑揚を付けずに話している内容を聞いていると、眠くなってしまったり「話すのが嫌なのかな」と思ってしまうことがあると思います。

抑揚をつけずに話をすると、相手は言葉の意味こそ理解できますが、何が重要で、何が最も伝えたいメッセージなのかがなかなか理解できません。声の大きさや高さなど、抑揚をつけて感情を込めて話をすることで、言語情報だけよりも相手に強くメッセージを伝えることができるようになります。

■注意点③言葉選びに気を付ける

『メラビアンの法則』では、言語情報は7%と言われていますが、それはあくまでも「3要素が矛盾したメッセージを発している場合」です。話の内容が分かりずらければ、もちろん相手にメッセージは伝わりません。

会話も電話もメールも、基本となるのは言葉なので、「どのような言葉を選んで伝えるか」はとても大切です。ポイントとしては、まずは正しい言葉遣いを意識することで。相手にメッセージを伝えたい時は、難しい言葉を選ぶ必要はありません。相手に誤解されないようにするためにも、相手にとって馴染みのある分かりやすい言葉を選びましょう。

記事まとめ

メラビアンの法則は、間違った意味で理解されてしまうことが多いですが、正しく理解することができれば日常のコミュニケーションをより円滑にすることができます。

ぜひ、コミュニケーションをとる際は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つのVを揃えて相手に伝える、ということを意識してみてください。



著者プロフィール

  

木藤 綾佳

【プロフィール】
リンクアンドモチベーション入社。以降、大手企業向けのコンサルティング部隊に所属。
営業企画として人材育成サービスに関するマーケティング施策に携わる。

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