新人教育のコツは?新入社員や部下を即戦力にするには?




会社の未来を創っていく新入社員の即戦力化もまた、企業にとって重要なテーマの1つです。 しかし、人材の多様化や、(2020年に起きた)コロナ禍による働き方の制約を受け、その難易度も高まっています。

本記事では、数多くの成長企業の採用/育成に併走してきたリンクアンドモチベーションが、新人教育の「一般的な型」や「現代における課題」、「重要な開発項目」およびそのための「効果的なアプローチ」を分かりやすく解説していきます。


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新入社員や部下を教育する方法

■OJT(On-The-Job Training)

OJTとは、実際の職務現場で業務を通して行う教育訓練のことです。 通常の業務の中で、上司や先輩社員等が教える側となり、部下や新入社員に実践的に知識やノウハウを伝えます。

OJTのルーツは、第一次世界大戦中にアメリカで膨大な数の軍隊を育成するために生まれた「4段階職業指導法」です。「やってみせる(Show)」、「説明する(Tell)」、「やらせてみる(Do)」、「確認・追加指導(Check)」の4段階からなる指導法で、OJTを進める上での基本的な手順として知られています。

その後日本にも輸入され、年功序列や終身雇用の時代(1970~1980年代)に「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Act(改善)」PDCAサイクルに基づく社員教育が広まり、OJTは企業内での社員研修の基本の一つと認識されるようになりました。

その後、時代の流れと共に変容しながら進化し、今日でも多くの企業において実践的で効果的な研修手法の一つとして活用されています。


■OFFJT(OFF-JT)(Off-The-Job Training)

OJTとよく比較されるものとして、OFFJT(OFF-JT)があります。OFFJTとは、実務の場を離れて行う研修のことです。

OJTとOFFJTの一番の違いは、実務の場を離れるか否かです。OJTは実務を通じての研修として、通常業務の一環として行われますが、OFFJTは実務の場を一旦離れ、研修のために特別な時間を割いた上で研修を行います。

OJTとOFFJTでは、研修内容にも違いが見られます。OJTでは実務をする上で必要となる知識やノウハウを実践形式で教えますが、OFFJTでは新入社員向けにビジネスの基本や中堅社員向けに専門的な業務内容を深掘りしたものを研修や講習会など座学形式で教えるという違いがあります。

OFFJTの具体例として、ビジネスマナー研修ロジカルシンキング研修、マネジメントスキル研修やグローバル人材育成セミナーなどが挙げられます。

昨今の新入社員の傾向

弊社のエンゲージメント調査ツールを用いて、現代の新入社員の意識傾向を測定した結果を提示いたします。
(エンゲージメントとは企業と従業員の相思相愛度合い、会社・事業成長への貢献意欲を表すものであり、研究により、企業成長への確実なインパクトが実証されています。)

以下は、新入社員の方々が、働く企業に対して「そもそも何を期待し」「現状どの程度満足しているか」をマトリクスでまとめた図です。

特に期待度に着目して見てみると…








上記の所以を考えてみると… 時代背景として下記のような仮説が立てられます。





つまりは、「未来や会社のために挑戦するより、今ここを充足させてもらいたい」
そういった自己保身が強い傾向があるといえます。


ポストコロナ時代における新人教育の悩み

また、コロナ禍において、入社式や初期研修の中止により、社会人としての心構えが未熟なまま業務につき、職場内での協働関係構築が難しく悩みを抱えやすいという問題が多くみられています。その上、リモート環境下で働いている際には、人事部や上司もフォローがしづらい状況が発生しています。







つまりは、先述した近年の新入社員の特徴に対し、「会社への所属意識が低く、学生から社会人への切り替えができていない」という問題が重なってきているのです。

新人教育における上司からのマネジメントの重要性


■職場学習の重要性

人が成長実感を抱くのは、 職場の経験:内省:OFF JT(研修等)7:2:1と言われています。





やはり、現場での業務にて具体的な壁に直面し、自己の課題が明らかになります。 その克服に向けてPDCAを回していった先でできる事が増え、成長実感およびモチベーションの向上へと繋がっていくのです。


■多様な働き方によるマネジメント難易度の高まり

ただ一方で、コロナ禍による多様な働き方が促進され、リモートワーク環境下におけるマネジメント側の育成難易度が高まっていることも事実です。現場の様子が見えず、体調やモチベーション状態、様々な悩みを素早くキャッチアップしてサポートすることが難しいのです。

以下は、リモートワークによって多くの人々が感じている課題です。
(引用:Sankei Biz 6月2日配信記事)





そのような状況だからこそ、マネジメントにおける重要なポイントを的確に押さえ、そのための仕組みや方法も柔軟に適切に変化、対応していかなければなりません。

ここからは、新人教育という文脈での適切なアプローチを説明していきます。

新入社員を即戦力化に必要な開発項目

新人教育をしていく際に押さえておくべき最重要事項が「人材要件フレーム」です。
イメージとしては以下の図ですが、 スタンスとポータブルスキルに関して、より詳細に説明していきます。





■スタンス

人材教育をしていく際には、大前提として「スタンス」から開発させることが重要です。 スタンスとは、仕事に向き合う姿勢や組織内での役割認識などであり、スタンスが十分に磨かれて初めて、 ポータブルスキルやリテラシー、テクニカルスキルがより一層磨かれ、絶大な効果を発揮していきます。


■ポータブルスキル

スタンスの次に開発すべきはポータブルスキルです。ポータブルスキルとは、業界/職種/地域(文化)を超えて普遍的に求めらるスキルです。対課題力、対人力、対自分力の3つに分類され、人によって得意不得意があるものの、社会人として総合的に高めていくことが重要です。




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新人や部下を教育する際の有効なマネジメント方法

人材成長においては、職場学習が有効であることは先述した通りです。 そして職場学習を通して、新入社員の成長、および早期戦力化を促進するには、業務支援だけではなく、内省支援と精神支援が重要です。





■指導力向上のポイント:シチュエーショナルリーダーシップ

また、上記3つの支援を的確に行っていくためには、「課題の難易度」「部下の解決能力」をふまえることが効果的です。例えば、課題の難易度が高さに対し、部下がその難しさを適切に把握していない場合は、ゴールや基準、具体的な思考/行動を伝え、認識を「正す」ことから始まります。





以下では、「教える」マネジメントと「正す」マネジメントを取り上げ、
そのポイントを説明していきます。


■教えるマネジメント:完成図や全体像、意味を伝えた上で、仕事の手順を具体的に教える

課題の難易度が高く、上司も部下もそれを認識している場合は、「教える」マネジメントを行います。まずはその仕事の意味や重要性、そして完成図や全体像を伝えます。

その上で、具体的な手順に砕き、実行を促していきます。部下にとっても挑戦機会であるため、過度なプレッシャーを与えずに、できるイメージを持てるまで具体的なアドバイスを心掛けましょう。

■正すマネジメント:指摘するのではなく、気づかせる

正すマネジメントにおいては、上司と部下に何らかの認識のズレがあります。 まずは上司の中でズレの内容を明確にし、以下のステップで部下を導きましょう。

  -STEP1:なぜ上手くいかなかったのかを「問う」
  -STEP2:あるべき考え方を「気づかせる」
  -STEP3:良い行動が継続するように「褒める」

記事まとめ

新人教育というのは、企業にとって重要かつ難しいテーマです。本コラムで説明したように、「何を」教えていくべきかの優先順位を押さえ、「どのように」教えていくべきかのマネジメント側のポイントを押さえることで、新入社員の早期戦力化を果たし、競合優位性の獲得、および企業成長を実現しましょう。



著者プロフィール

  

下村 風香

【プロフィール】
リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・スタートアップ企業向けのコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略設計・実行」「育成施策設計・運用」を主な専門領域とし、 IT業界、エンタメ業界、福祉業界など数多くの業界の企業様にコンサルティング経験を持つ。
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