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人事評価制度とは?種類や特徴、設計上の注意点まで

組織づくりにおいて、「人事評価制度」というのは大変重要です。
人事評価制度にはどのようなものがあり、企業経営にどのような影響を及ぼすのか。

本記事では人事評価制度の内容理解から、その影響力、 そして人事評価制度を設計/運用する際のポイントを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.人事評価制度とは?位置づけと要素
  2. 2.人事評価制度の導入目的とは
  3. 3.人事評価制度の種類とは
  4. 4.主な人事評価制度とその特徴とは
  5. 5.人事評価制度の変遷とは
  6. 6.人事評価制度のメリット・デメリット
  7. 7.人事評価制度設計の手順と陥りがちなこと
  8. 8.業界別の目標の設定方法
  9. 9.雇用形態別の目標の設定方法
  10. 10.人事評価制度を運用する際の注意点
  11. 11.企業の人事評価制度の事例
  12. 12.まとめ
  13. 13.人事評価制度に関するよくある質問


人事評価制度とは?位置づけと要素

そもそも人事制度というものは、 主に「評価制度」、「等級制度」、「報酬制度」の3つの要素からなります。

■評価制度

「評価制度」とは、従業員の仕事への取り組み姿勢、能力、成果、貢献度などを 一定の基準で評価する制度です。

評価制度設計においては、社員を査定するものではなく、人材育成の機会として機能するように構築することが重要です。 主な設計・構築時の論点としては、人材を何の項目(成果、行動、能力、情意)で称賛するか、どのような基準で称賛するかという点があげられます。

■等級制度

「等級制度」とは、一定の分類基準によって、従業員を等級で振り分ける制度です。主に、「職務」「職能」「役割」の3つの観点で分類されることが多く、等級は組織における賃金管理や人材配置に活用されます。

等級制度設計においては、社員の序列をつけるものではなく、成長のステップを示すものとして設定することが重要です。

主な設計・構築時の論点としては、どのようなステップアップの道筋(コース等)を用意するか、どのような基準(業績・成果、担える役割、能力)によって人材を昇降格させるかという点があげられます。

■報酬制度

「報酬制度」とは、従業員に対して支給する報酬を定める制度です。報酬は大きく「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」の2つがあります。

「金銭的報酬」は給与、賞与、退職金などを指し、「非金銭的報酬」は仕事、権限、学習機会などを指します。 報酬制度設計においては、誰が見ても分かるようにシンプルな設計を心がけることが重要です。

主な設計・構築時の論点としては、何を報酬(給与、賞与/権限、機会)とするか、何(成果、職務、能力、役割)に対して報酬を支払うかという点があげられます。

本記事では特に、「評価制度」に焦点を当てて解説していきます。

参考:人事制度設計・構築コンサルティングとは?設計手順や目的について

人事評価制度の導入目的とは

■企業の業績向上

企業の生産性や業績の向上には、企業が従業員に対して目指す方向性を示し、同じ方向に向かう必要があります。
人事評価制度を、企業理念や経営方針/経営目標などに基づいて作成し、評価項目/基準に適切に反映できれば、企業の進むべき道や求める人物像を明確に従業員に示すことができます。

■従業員の処遇決定

年功序列ではなく能力や業績によって従業員の処遇を決定する場合、客観的な指標を置くことが重要です。 人事評価基準を明確にすることで評価の偏りを防ぎ、総合的な貢献度を序列化してみることで適切に処遇を決定することができます。

■従業員の配置最適化

適材適所の人員配置を行うために、従業員の能力や配属部署での貢献度を客観的に評価する必要があります。 同じ評価基準のもと、それぞれの従業員の強みや弱みを比較することで、最適な人員配置を決定することができます。

■従業員の能力向上

明確な評価基準と処遇を明確にし、従業員が「頑張れば評価される」と認識できれば、従業員の自発的な成長が期待できます。また、上司が部下を育てる際の指標にもなるため、人材育成の基準としても役立ちます。

人事評価制度の種類とは

■能力評価

能力評価とは、業務において求められるスキルや知識などで社員を評価することです。どの会社にも共通するような数値化ルールは存在せず、通常は企業ごとに定めたルールに従って評価します。

■業績評価

業績評価とは、社員の能力や成果を評価期間ごとに評価することです。

主に成果や目標への達成度を客観的に数値化します。数値化しにくいプロセスについては、協働している上司や同僚、部下からヒアリングして数値化します。

■情意評価

情意評価とは、社員の意欲や行動、勤務態度などから評価することです。 担当業務への意欲や責任感、組織協力する姿勢などが評価の対象となります。

主な人事評価制度とその特徴とは

■MBO(目標管理制度)

MBO(目標管理制度)とは、事前に社員が自主的に目標を決め、会社と認識を共有し、管理していく方法です。 設定する目標はなるべく具体的にし、到達するためのプロセスまで具体的に定めることが望ましいです。

▼目標管理に関する記事はこちら
目標管理とは?行動振り返り、MBO、OKRを詳しく解説

■コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、あらかじめコンピテンシー(業績が高い社員の行動特性からパターン)をモデル化し、 それに沿って行動する社員を評価するものです。

コンピテンシー評価では実際に会社に貢献している社員の行動パターンを分析し、目標達成に向けてどういう行動をすれば良いのかが明確になるので、人材育成の面でも有用です。

▼コンピテンシー評価に関する記事はコチラ
コンピテンシー評価とは?導入メリット・デメリットや必要性、導入の手順について解説

■360度評価

別名「多面評価」「周囲評価」といいます。上司はもちろん、同僚や部下、異なる部署の社員が一人の社員を評価する手法です。
360度評価は、人事評価に反映するというよりも周囲からの見え方を本人に伝え、今後の業務に活かすことが一般的です。そのため、本人にとって納得感のある結果を得るために、実際に業務で関わる人(人事評価に関する知識を持たない後輩なども含む)に回答してもらうことが特徴です。

■ミッショングレード制度

ミッショングレード制度(役割等級制度)とは、役割単位で等級を決める評価制度のことです。各従業員にレベル差のある役割を設定し、その役割の大きさや遂行度によって等級や報酬を決めるのが特徴です。

ミッショングレード制度は、従業員が自らの役割を認識でき、「何をすべきか?」を把握しやすいため、主体的な行動が促されます。加えて、次の等級の役割も明示されているため、目標を設定しやすく、グレードを上げるために高いモチベーションを保って働くことができます。会社側も、年齢や年次にかかわらず役割を果たしている従業員を高く評価することができます。

一方で、ミッショングレード制度は導入時に各従業員が果たすべき役割を明確に定義しますが、定義内容によっては、従業員の納得を得られなかったり適正な評価につながらなかったりするリスクがあります。また、年功序列の考え方がなく、勤続年数の長い従業員も降格・減給の対象になるため、一部の従業員から反発を招くおそれもあります。

人事評価制度の変遷とは

■年功序列から成果主義

これまで多くの企業では、一般的に年齢や勤続年数に比例して給料や地位がアップする「年功序列制度」を採用していました。

それとともに、就職した会社で一生働く「終身雇用制度」は日本の高度経済成長を支え、戦後の復興を果たす大きな原動力となりました。

その後、景気低迷や雇用情勢の変化に加え、急速なグローバル化もあり、労働に対する考え方は変化し、日本型の雇用システムは衰退の一途をたどっています。

人事評価においても、年齢を重ねるたびに評価が高くなる年功序列型のものから、仕事の結果や業績、貢献度などで評価する「成果主義」、プロセスも評価する「能力主義」へと変わってきています。

■同一労働同一賃金

1990年代以降、日本では非正規労働者が増え、現在では日本の全従業員のうち非正規社員が約40%を占めています。 ところが、徐々に正社員との賃金格差が広がり、社会問題化しています。

政府の方針も成果主義に傾き、2016年12月に働き方改革実現会議で「同一労働同一賃金」のガイドライン案を公表。 同ガイドラインは仕事の内容が同じか、同等の社員に対しては同じ賃金を支払うべきだという考え方に基づいています。

人事評価制度のメリット・デメリット

既にほとんどの企業は人事評価制度を導入していると言えます。ここでは人事評価制度の中でも、目標設定と評価フィードバックを設ける場合と活用設けない場合のそれぞれのメリット・デメリットについて説明します。

目標設定・評価フィードバックを設ける場合

メリット

目標設定・評価フィードバックを設ける場合のメリットとしては評価に納得感があることや自分自身の評価を踏まえて、今後の成長サイクルに繋げられることが挙げられます。

デメリット

目標設定・評価フィードバックを設ける場合のデメリットとしては個別の目標設定とFBを実施するため、組織目標と整合性のある個人目標を設定するスキルや、それを本人に納得してもらうための日頃からの信頼関係が必要があり、運用難易度が高いことが挙げられます。

目標設定・評価FBを設けない場合

メリット

目標設定・評価フィードバックを設けない場合のメリットとしては個別の目標設定とFBを実施するため、組織目標と整合性のある個人目標を設定するスキルや、それを本人に納得してもらうための信頼関係が必ずしも必要ではなく、運用難易度が低いことが挙げられます。

デメリット

目標設定・評価フィードバックを設けない場合のデメリットとしては評価に納得感がない場合があることや評価がブラックボックス化しやすく、成長サイクルに繋がりづらいことが挙げられます。

人事評価制度設計の手順と陥りがちなこと

ここまで人事評価制度の種類について説明してきましたが、ここからは人事制度の作り方(具体的な設計の手順と陥りがちなこと)について説明していきます。
既にほとんどの企業が人事評価制度を導入していますが、部分的に見直したり、再設計したりする際にも下記の手順を踏むことが重要です。

【手順】

①現状把握

インタビューやアンケート調査を実施し、 経営や現場の意見を踏まえて現行人事制度の課題を洗い出します。

②人事ポリシー策定

ビジョンや事業戦略からブレイク・ダウンして、 会社の人事・組織戦略の骨子となるコンセプトを決定します。

③人事制度アウトライン設計

「人事ポリシー」に基づいて、 各社の事業や組織にとって最適な人事制度の具体的内容を決定します。

④人事評価のフォーマットやシステムの導入

人事評価制度を円滑に設計するため、必要に応じてフォーマットやシステムを導入します。フォーマットを用意することで、評価者による「ズレ」を防ぐことができます。また、人事評価システムは導入費や運用コストがかかりますが、エクセルでの運用に比べると圧倒的に効率的です。データの管理・統合や運用工数削減につながるため、長期的に見れば導入メリットは大きいと言えるでしょう。

⑤従業員・評価者への説明

人事評価制度を導入するにあたっては、従業員の理解を得ることが不可欠です。説明会を開催するなど従業員への周知を徹底し、疑問や不安を取り除いてから運用をスタートしましょう。また、適切に運用していくためには、評価者となる管理職の教育も重要です。人事評価制度の仕組みや評価方法・評価基準などの理解を深めるだけでなく、評価者研修などで評価スキルの向上を図りましょう。

⑥運用開始

人事評価制度の運用を開始します。しかし、最初からうまくいくとは限らず、必ず何かしらの課題が見つかるものです。また、企業の規模や従業員が変わっていく過程で不具合が生じることもあるでしょう。人事評価制度をコロコロと変えるのは避けるべきですが、中長期的に見直し・チューニングをおこない、企業の現状にマッチした制度にしておくことは大切です。

【陥りがちなこと】

・「戦略性」の欠如

様々な施策やルールがバラバラに作られてしまい、 狙いに一貫性がないケースが散見されます。
目的が曖昧な状態のまま他社の施策を取り入れてしまうことや、 研修やOJTでの育成が昇格と繋がっておらず、 人材育成の成果が曖昧になっていること等が原因です。

・「差別性」の欠如

自社らしさに欠けるありきたりな制度になってしまうケースが散見されます。
人事制度の専門用語や流行りのキーワードの特徴を理解しないまま取り入れてしまうことや、近い業界や企業の成功事例が無いこと等が原因です。

・「実行性」の欠如

せっかく詳細に制度を作ったものの運用に乗らないケースが散見されます。

評価の納得感を高めるため詳細に作り込んだとしても 環境変化や戦略変更がある度に変える必要が生まれることや、 制度の内容が複雑すぎて評価者が理解できず運用しきれないこと等があげられます。

参考:人事制度設計・構築コンサルティングとは?設計手順や目的について

業界別の目標の設定方法

人事評価の目標設定方法について、主な業界別に例を挙げてご説明します。

営業職

営業職は、数値目標を立てやすい職種です。具体的には、アポイント件数や商談数、成約率やリピート率、個人売上高や新規顧客の獲得数、平均受注単価など、様々な指標が考えられます。チームリーダーなどの場合は、チームとしての売上高や目標を達成したメンバーの比率、新人育成なども目標になるでしょう。

マーケティング職

企業のマーケティング活動は、Webマーケティングなどのデジタルマーケティングが全盛になっています。そのため、マーケティング職はWebサイトやSNSにおけるマーケティング施策の成果が目標に設定されるのが一般的です。具体的には、Webサイトのアクセス数や問い合わせ数、直帰率、リードの獲得数、SNSのいいね数やシェア数などが挙げられます。

エンジニア職

システムの設計・開発を担うエンジニア職は、求められる要件に対する到達度や開発計画の達成度を目標に設定するのが一般的です。目まぐるしくトレンドが移り変わり、日進月歩で新技術が登場する分野なので、新しいスキルの習得も目標になり得ます。プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)などの管理職になると、プロジェクトの成否はもちろん、業務効率化やコスト削減なども目標に設定されるようになります。

バックオフィス職

経理、総務、法務、人事などのバックオフィス職は、数値での目標設定が難しい職種です。そのため、業務効率化、工数削減、残業削減、ミスの削減、マニュアルの作成・見直し、管理ソフトの導入、新人育成、資格取得などが目標に設定されることが多いようです。とはいえ、ひと口にバックオフィスと言っても業務内容は様々です。たとえば、人事の採用担当者の目標としては、応募者数や採用者数、採用コストの削減や採用者の定着率などが挙げられます。

カスタマーサクセス職

カスタマーサクセスは顧客満足度を高め、サービスの継続や追加の購買を促すために契約後のサポートをおこないます。このような業務特性から、商品・サービスの継続率・解約率は一つの重要な目標になってきます。その他の目標としては、オンボーディング完了率やアップセル・クロスセル率、LTV(顧客生涯価値)やアクティブユーザー数などが挙げられるでしょう。

雇用形態別の目標の設定方法

人事評価の目標設定方法について雇用形態別に解説します。

正社員

正社員は、会社の目標・ビジョンに沿って目標設定をおこないます。役職が上がるほど目標も高くなり、管理職になるとチームとしての目標達成や部下の育成なども目標として設定されるようになります。また、外部のパートナーや契約社員、アルバイトを管理する立場の正社員は、彼ら・彼女らのパフォーマンスやコストも目標に反映されます。

契約社員

契約社員は有期雇用であることもあり、人によっては「決められた期間、決められた仕事だけをやっていればいい」というマインドに陥ることもあります。しかし、そのようなマインドでは会社のプラスにならないため、きちんと目標設定をすることが重要です。契約社員には、特定の業務に個人のスキルを活かすことが求められるため、「○○ができる」といったスキルチェック的な目標設定が馴染みます。スキルを磨き、専門性を高めていくことで評価されるイメージです。

アルバイト・パート

アルバイトやパートに任される仕事は限定的ですが、目標設定をすることは重要です。アルバイト・パートの場合、入社時や前月、前年同月と比べたときに成長度合いが明確に分かるような目標を設定するのが良いでしょう。接客業などでよくあるのは「月間売上前月比110%」などの目標です。達成できなければ、「なぜ達成できなかったのか?」「どうすれば達成できたのか?」を自ら考えるようになりますし、達成できる喜びを知れば、仕事に対してさらにやりがいを持って取り組めるようになります。

人事評価制度を運用する際の注意点

人事評価制度を運用する際に注意すべきことが「PCモデル」です。制度の精緻度を高めれば高めるほど効果が上がるわけではありません。

手続きの明確化、指標の明確化/多元化は一定重要ですが、ある度合いをこえると、運用しにくく機能しない、環境変化等への適応が遅れるといった問題が発生します。


特に、ルールというものには下記のような3つの宿命があり、
それ故に精緻度/複雑度を増していきやすいため、注意が必要です。

・不透明性

ルールをどこまで詳細に定めても、 現実に発生するあらゆる事態全てを想定し、管理することはできない

・非効率性

不透明性をできるだけ排除しようとすればするほど、 ルール自体の複雑度が増して、運用に堪えない「非効率性」が生まれる

・硬直性

暗黙の取り決めなど曖昧なものを形式知化するためにルールを設定するが、 一定定着するとルール自体が前提となって変化を阻害し、環境変化に送れる

これをふまえて、不透明さ、曖昧さを残した制度の運用を担保するのが「信頼」です。イレギュラーな事態に対して、わざわざルールが定められていなかったとしても「裏切りはないから大丈夫」と相互に思えるような「信頼インフラ」が重要なのです。

制度を一定整えながらも、同時に信頼インフラを整え、強化しながら運用していくことが求められます。

企業の人事評価制度の事例

人事評価制度に力を入れている企業の事例をご紹介します。

メルカリ

2021年2月、メルカリグループは人事評価制度を大幅にアップデートしました。新しい人事評価制度の大きな特徴は、グレードを軸に据えているところです。グレードとは、メルカリグループとして「どのような貢献を期待しているか?」を明文化したもので、期待する成果と行動に分けてグレードを定義しています。このグレードを基軸に、従業員を成果・行動の2つの観点から評価します。成果に対しては「該当するグレードで期待される成果を達成できたか?」、行動に対しては「メルカリグループが定めるバリューを発揮し、実践できたか?」が問われます。そして、成果が評価されればボーナスに、成果・行動ともに評価されれば昇給につながる仕組みです。

※参考:メンバーの活躍を“大胆に”報いる──大幅アップデートされたメルカリ人事評価制度の内容と意図 | mercan (メルカン)

アドビ

アドビは、従来型の年次の人事評価を早くから廃止した企業の一つで、2012年に独自の評価制度となる「チェックイン(Check-in)」を導入しています。チェックイン制度では、従業員とマネージャーが常に対話をするなかで明確な目標を決め、何度もフィードバックし合いながら、キャリアアップについて話し合います。チェックイン導入後は従業員の意欲、定着率が高まり、自らパフォーマンス管理ができるようになりました。また、従来型の人事評価では、数値評価、ランク付け、評価の文書化など様々な手続きが必要でしたが、チェックイン導入後の1年間で、マネージャーの所要時間を8万時間(フルタイム従業員40人分)削減することができました。

※参考:#アドビ 調査、従業員の #人事評価 のやり方が時代遅れになっていることを示唆

アイリスオーヤマ

アイリスオーヤマは、2003年より人事評価制度の改革に着手し、現在は「実績」「能力」「360度評価」の3つの基準を用いた評価制度を運用しています。一般社員は「上司」「同僚」「部下・関連部署」の三方から、幹部社員は「上司」「同僚・関連部署」「部下」の三方から評価を受けます。評価項目は4つのカテゴリ(幹部社員は業務力・実力・指導力・人間力、一般社員は基本的行動・能力・人間力・実績)別に全12項目から構成され、それぞれ6段階評価になっています。この評価制度により、「周囲からどう評価されているのかの気付きになる」「自分の強み・弱みを謙虚に受け止めるようになる」といった肯定的な効果が生まれています。

※参考:評価制度 | 人 | 取り組み事例 | アイリスグループのサステナビリティ | 企業情報 | アイリスオーヤマ

まとめ

日本企業の多くは人事評価制度を採用し、昇進・昇給の根拠にしてきましたが、内容が更新されず、現代の時流や働き方にそぐわない評価制度になっている会社も増えています。時代の流れや自社の状況を鑑みて、人事評価制度を見直してみてはいかがでしょうか。

人事評価制度に関するよくある質問

Q:ノーレイティングとは?

ノーレイティングとは、ランク付けをしない人事評価制度のことです。従業員を「S」「A」「B」「C」というようにランク付けするのではなく、リアルタイムの目標設定とフィードバックを通して、その都度、評価をしていきます。もともと、ノーレイティングは欧米で始まった制度ですが、近年はP&G Japanや日本マイクロソフトなどもノーレイティングを導入しており、日本でも注目されるようになっています。

Q:AIを活用した人事評価とは?

近年、AI(人工知能)を活用した人事評価システムが注目を集めています。防衛省が陸、海、空の幹部自衛官の人事異動などにAIを導入する方針を固めたことは大きなニュースになりました。防衛省は業務効率化を目指して、人事異動や評価などをAIが査定するシステムを構築するとのことです。


AIを活用した人事評価システムは、従業員の各種データ(行動特性や成果、成長性、得意・不得意など)をAIが分析し、人事評価項目と評価基準に基づいて評価をおこなう仕組みです。従業員に関するデータが膨大な量でもAIなら迅速に分析し、評価を下すことが可能です。また、評価者のバイアスがかからず、評価の公平性を担保できるのもAIを活用した人事評価の利点だと言えるでしょう。



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下村 風香
下村 風香
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 以降、中堅・スタートアップ企業向けのコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略設計・実行」「育成施策設計・運用」を主な専門領域とし、 IT業界、エンタメ業界、福祉業界など数多くの業界の企業様にコンサルティング経験を持つ。

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