オンライン選考の理想的な形は?選考の対応策も解説



コロナウィルス感染拡大に伴い、21採用の選考期からオンライン選考の流れが加速しました。この採用選考のオンライン化の中で、どのような対応が最も採用成果に繋がるのでしょうか。学生や企業へのインタビューを通じて明らかにしていきます。


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21・22採用の現状

コロナウィルスの感染拡大に伴い、21採用の選考期から急速に採用プロセスのオンライン化が求められるようになりました。どのような対応をすべきかについて、非常に多くの相談をいただいたのが選考に関することでした。

今回弊社にて、現状各社の選考現場はどうなってるのかについて企業へアンケートを実施しました。その内容をもとに、どのような選考が求められるのかについて説明します。


■採用選考の時期

まず21採用の選考期を振り返ります。

コロナウィルスの感染拡大に伴い、企業判断としてリモートワーク・テレワークが進み、大人数への接触や三密になりうる活動が原則禁止になった企業が多くありました。その結果、採用活動も活動が制限され、選考方法をオンラインへと一気に切り替えざるを得なくなりました。

そんな中、弊社と取引させていただいている企業へ採用活動への影響をヒアリングをいたしました。


■21・22採用に関するアンケート調査結果

①②21採用でオンライン面接・面接を実施しましたか
アンケート結果は、全ての企業において「実施した」と回答しています。



③④21採用で面接・フォローにかかる負荷はどのように変化したか
各社においてオンライン面接へと切り替えたが、オンライン面接とそのフォローにかかる負荷が増加したと回答する企業は、それぞれ64.7%、40.6%となっています。

⑤22採用で自社の採用戦略上、優先度の高いテーマを教えてください
7月時点でのアンケートでしたが、インターンシップを大きく離して、最も回答が多かったのは「面談」「面接」でした。

21採用において各社が準備期間短い中で対応したものの、22採用からは半年以上の準備期間があるため、戦略や対応によって採用成果に大きく影響を及ぼしうると各企業よりコメントをいただいています。


■企業の変化

採用マーケット全体の動きについてご説明しましたが、アンケートから企業を3つに分類し、それぞれにおける採用における傾向を整理いたしました。

・大手安定系

「withコロナ」「Afterコロナ」の中で学生が最も懸念したものは、景気不安です。一部の企業にて内定取り消しを行ったという事象がニュースになりましたが、それを受けて多くの学生は、より安定性のある企業への入社欲求が高まりました。

そのため例年以上に多くの母集団が集まり、面接の実施に工数がかかり、学生1人1人にかけられる時間が減少することが予想されます。結果として学生の自社に対する志望度を高め切ることができず、急な辞退者が出たり、志望度をあげるためのフォローを長期に渡るだろうと考えています。

・リクルーター依存系

これまでの採用プロセスにおいて、リクルーターが学校へ行き、プロモーションを実施し、そしてリクルータールートで個別に採用していくという戦略を採っている企業です。

学生のいる研究室などが入構規制によって訪問できず、例年のように母集団を集めることが困難になると予想されます。結果として、採用目標達成と採用基準の間でどの学生をターゲット学生とすべきかの判断が難しくなるだろうと考えています。

・後半期勝負系

採用人数自体が多く、一方で採用マーケットの中で人気という訳ではなく、後半期に社員を通じた口説きで勝負をかける企業です。母集団はイベントを実施しているため

例年通りに集められるものの、学生の志望度を高め切るには至らず、選考期からアプローチをかけるもののその時点からは学生の志望度は変わらず、量・質ともに採用することが困難になるだろうと考えています。

上記のような、オンライン化に際して、苦労をしたというエピソードは様々ありますが、一方で、成功したという企業もあり、そのような企業はどのようなクロージング期の戦略を行っていたのかについてご説明いたします。


オンライン選考、面談の成功パターン・失敗パターン


どのようなクロージング期の戦略が望ましいかを考えるにあたり、学生に対してインタビューを実施しております。学生から見て、志望度が高まる/下がる選考・面談についてのご説明をした上で、どのような選考が求められているのかについて弊社所感をご説明いたします。

■オンライン選考、面談の成功パターン・失敗パターン

多くの学生に対してインタビューをさせていただく中で最も多く出現したキーワードは下記の2点になります。

①自分自身を引き出してもらえた
②企業と自分を接続してくれた


それぞれどのような対応が行われた際に、上記の①②を感じた成功パターン、そして①②を感じられなかった失敗パターンについて説明していきます。

①自分自身を引き出してもらえた

オンライン化に際して学生が不安に感じていたことの一つは、オンライン上でのコミュニケーションでどれだけ自分自身について伝えることができるのかということです。

これまで対面でのコミュニケーションにおいては、相手の反応を見ながら、話すことができましたがオンライン上でのコミュニケーションではカメラを見なければならないため、相手の反応が見えず本当に伝わっているのかが分かりません。

その中での選考の成功パターンは、学生の話に多少オーバーに反応をして見せ、オペレーションや時間配分などにおいて学生が自身を表現しやすいコンテンツに変えていました。

一方失敗パターンでは、学生の話に対してバーバル/ノンバーバルの両方において反応が薄く、対面実施のオペレーションをそのままにオンライン化した選考であることが分かりました。

②企業と自分を接続してくれた

「自身を伝えることができるか」に加えてもう一つ学生が感じていた不安は、これまで肌感覚で理解をしていた人となりや雰囲気などかなりの情報が分からず、企業と自身が合っているか判断することができないということです。

その中での選考の成功パターンは、面接終了後のタイミングで学生個人に対してのフィードバックを行い、「何を評価したのか」を伝えていました。

一方失敗パターンでは、選考時間が短かったり、その後のフォローにおいても「何を評価したのか」が伝えられることなく、合格や不合格の連絡をもらった選考であることが分かりました。

選考における成功パターン・失敗パターンを説明してきましたが、オンライン化が主流となる採用の中で、成功パターンか失敗パターンかどうかによって学生からの志望度は大きく変わります。


■陥りがちな状態とあるべき姿

ではオンライン化の中で失敗パターンなど陥りがちな状態とあるべき姿について説明します。

学生のインタビューの中で判明したことは、選考で学生から選ばれる企業になるためには、「オンライン選考を乗り切るための上手いノウハウ」を模索するのではなく、「選考を通じていかに学生と向き合い、自社と相思相愛の状態へと持っていくスタンス」が求められています。

それを弊社にてキーワードにさせていただきました。「ベルトコンベア選考」から「リレーションビルディング選考」を実現すべきだとしています。

「ベルトコンベア選考」とは、学生を「品定め」して検品をするような選考を行うことを指しています。「一旦見極められれば良いので…」と面接時間がネットワークの接触不良で5分になってもしょうがないとという発想になったりしてしまいます。学生はこのようなスタンス・扱いの企業に「大事に扱われてない」と感じ、志望度を落としています。

一方であるべき姿としておいている「リレーションビルディング選考」では、選考を通じてお互いの価値観をすり合わせていく、あるいは一致させていく「コミュニケーション活動」として捉えているため上記の成功パターンのような対応が自然と選択され、「自身を持ってこの会社に入ると言える」という状態になり、志望度も自ずと上がっていきます。


■リレーションビルディング選考のポイント

ではそのリレーションビルディング選考を実現するためのポイントは何でしょうか。様々な観点で違いがあり、それを下記の図にまとめております。

一番の違いは、選考活動の捉え方を、いわゆる「スキルを調達する活動」ではなく、未来の会社づくりの共感者の創造であると考えていることです。それが、これからの時代に選ばれる選考活動であると考えています。



オンライン選考・面談を成功させる、ITツール

上記の選考における「あるべきスタンス」が変化したことに伴い、求められるツールも大きく変化することが求められています。

これまではリアルでの実施を想定していたため、日程調整ができれば面接を実施することができましたが、オンラインで面接を実施するためには日程調整に加えて、オンラインミーティングのURLの共有やアカウントごとの予約の管理など管理するべき項目が増えました。

また、工数の観点だけでなく志望度向上の観点からも、通信トラブルによって面接時間が短縮されることの無いようなサービスを導入する必要があります。
一部弊社の顧客から入ってきているツール・システムに対しての所感をご紹介いたします。

■Zoomについて

Zoom公式HP:https://zoom.us/
ブレイクアウトセッションを活用することで同時に複数の面接を実施でき、通信も安定しているため安心して学生を見極めることができる。一方で、開催ごとにURLの発行が必要になるため、確認のオペレーションなどを精緻に設計しないとミスが発生しかねない。

■FaceHubについて

Facehub公式HP:https://www.face-peer.com/
採用データベースとシームレスに連携することができ、アプリのインストール不要で安定して動作するため扱いやすい。しかし音声周りに接続不良が発生しやすいことがある。

■Harutakaについて

Harutaka公式HP:https://harutaka.jp/
採用データベースとの接続が可能で、学生がマイページより予約をすることができる。そのためオンラインミーティングのURLが間違うというリスクが少ない。一方で、基本的に個人面接向けのツールであるため、複数人の対応が難しい。



事例:リンクアンドモチベーションが提供するオンライン面接官育成トレーニング

今回紹介させていただいた「リレーションビルディング選考」においては、面接官が「見極める」だけではなく「引き出す」というスタンスで学生と向き合うことが重要であるとお伝えしました。

一方で「見極める」を軽んじる訳ではなく、むしろ例年より難易度が上がると考えたほうが良いと考えています。オンライン選考においては、これまで肌感覚で見極めていた能力や人間性を見ることが難しく、選考基準におけるズレが生じる可能性があるためです。

その場合に実施すべき面接官トレーニングに関してご紹介いたします。

■面接の3要素のすり合わせを行う

オンラインにおいても、見極めにズレのない面接を実施するためには、下記に記載している「項目」「基準」「手順」の3つに関して、面接官同士で共通の理解を持っている必要があります。

「項目」:自社が求める人物像の共有
「基準」:自社が採るべき学生の見極め基準のすり合わせ
「手順」:効果的な面接の進め方/質問手法の理解

弊社のこれまでのノウハウの伝達や実際に近い形式のワークを通じて、それぞれの要素に関する 共通理解の醸成します。


■模擬面接を通じて3要素を習得する

面接の3要素を理解し、面接官同士で共通の理解ができたところで、実際にその内容を踏まえた面接を行うことができなければ意味がありません。項目・基準・手順の総まとめとして、実際に学生との模擬面接を行っていただき、習得をしていただきます。


■顧客事例

大手不動産会社

・課題
毎年200人を超える採用を行っていて、現場の協力無しだが、採用メンバー5人で対応していた。今年からコロナウィルス感染拡大の影響により、選考が全てオンライン化することになり、1次選考であるグループディスカッションの実施ができなくなった。

そのため個人面接で対応することになったが、そこに工数をかけることができないため、より短時間の中で見極めることが求められるようになった。

・解決の方向性
現場社員の面接への協力無くしては、工数の面から対応しきれず、採用成果が担保できないことを 明らかにし、現場社員への面接項目・基準・手順のインストールを実施。またオンライン上で、見極めやすい項目・見極めずらい項目がどれかを面接官トレーニングを通じて情報収集し、見極めタイミングの再配分を行った。

結果として、現場社員の巻き込みによる選考実施がスムーズに対応可能となっただけでなく、オンライン上での選考に最適な形での選考実施ができるように再設計することができた。


記事まとめ

入社の意思決定の多くは、選考期に学生は決めます。

その中で、オンライン上でどうやって効率的に見極めるかというスタンスでは、選考期間を通じて学生は離れていくことが弊社インタビューの中で分かっています。学生がきちんと自身を表現できる場を用意し、実際に面接官が引き出してあげられるかどうかが非常に重要になります。

ツールへの対応に目が行きがちになりますが、改めて選考のあるべき状態をこのタイミングで実現することが、採用成果に対して一番の近道なのではないでしょうか。



著者

  

LM編集部

理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。
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