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コーチング研修の落とし穴とは?指導力向上に向けた処方箋

指導力向上


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なぜ、今、管理職や職場の先輩に指導力向上が求められるのか

働き方改革によって新たに生まれた課題

これまでの働き方改革において、多くの企業が手を打っていたことは、労働時間の減少でした。
HR proの2018年の「働き方改革」実施状況調査によると、働き方改革の目的として、85%の企業が「長時間労働の是正」を第一の目的に掲げて実行していることが分かりました。また、83%の企業がその効果を実感していました。
しかし、同調査にて、「これらの取り組みによって労働時間が短縮した結果、新たにどのような課題が生じたか」を聞くと、「残業代減少に伴う収入減少に対する不満」、「サービス残業の増加」、「業務水準の低下」、「業務分担の非均衡」、「コミュニケーションの減少」、「労働意欲が高い社員のモチベーション低下」等、現場において新たな課題が生まれていることも分かりました。

特にその中でも「コミュニケーションの減少」は、従業員のエンゲージメントの低下を招いた結果、離職の増加等にもつながる可能性があり、人事としては喫緊の課題となっていることが多いです。
例えば、リンクアンドモチベーションが実施しているエンゲージメントサーベイにおいても、エンゲージメントスコア(会社のエンゲージメントを偏差値化した数値)に対する影響度が高いのは、「制度待遇」や「仕事内容」よりも、「組織風土」や「職場の内部統合(一体感等)」であるというデータも出ています。 つまり、コミュニケーション量を増加させて、組織風土や職場の一体感を作り出すことは、エンゲージメント向上に非常に重要であるということです。
しかし、上記の通り働き方改革の中での業務時間短縮により、コミュニケーションの十分な時間がとれず、人材の育成や日々の業務の課題解決が進まず、エンゲージメントの低下を引き起こしているお客様も多いです。

その結果、「限られた時間の中で部下や職場メンバーの課題を解決する」ために、管理職や先輩の「指導力向上」の重要度が高まっています。 また、「限られた時間の中で、コミュニケーション量を増やす」という目的のもと、管理職と部下の「1on1」の仕組みの構築を行う企業も多いです。


指導力向上に向けて上司コーチング力強化をする企業が増えている

そもそもコーチングとは

上記の指導力向上や、1on1の質向上に向けて、多くの企業で取り入れられているのが、管理職に対するコーチング研修です。
そもそもコーチングとは、一般にティーチングは、親・先生・管理職などの立場にある者が、子・生徒・部下などを豊かな知識や経験に基づき、目標達成へと導くための指導方法です。そのため、指示・命令型の答えを与えるコミュニケーションに陥る傾向があるようです。

一方、コーチングでは「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポートを行います。 この考え方は「答えはその人の中にある」というコーチングの原則に基づいています。
コーチングでは「答え」について、「外から与えられた答えは情報」として、「自分の内にある答えを納得感」として位置付けており、 後者の自分の納得感を重視しています。 コーチングでは両者が結び付くことで「その人自身の答え」になると考えるとともに「答えを創り出す」ための基本としています。
このようにコーチングは「答えはその人の中にある」という原則のもと、 相手が状況に応じて自ら考え、行動した実感から学ぶことを支援し、 相手が本来持っている力や可能性を最大限に発揮できるようサポートするための コミュニケーション技術なのです。

コーチング力強化の落とし穴

コーチングという手法自体は非常に素晴らしいのですが、実際に現場で行う際に、うまくいっていないことも多いです。 その理由は、以下の2つです。

  • コーチングを行うことが目的化してしまい、課題解決しない
  • 限られた時間の中で課題解決をするという目的と、コーチングの手法がマッチしていない

コーチングという手段の目的化

先述した1つ目の理由は、「コーチングを行うことが目的化してしまい、状況に応じてコミュニケーションを変えられないから」です。
コーチングは、簡単な手法ではないのですが、研修の短時間で身につけようとすると、シンプル化して伝えなければなりません。 その中で、「コーチング=部下のタイプに合わせた承認」というシンプルな捉え方をした結果、コーチング=ほめるという手段が目的化してしまうことがあります。
そんな上司は、どんな時にもとにかく相手をほめることしかできず、相手の「納得感」を引き出すというコーチングの本来の目的が達成されないということが起きてしまっています。

また、「コーチング=相手に問いかけること」と捉えてしまった上司は、相手に答えがない場合に、コーチングだけでは課題解決がされないということも起きています。相手が答えを持っているケースの場合は、問いかけを行った際に客観視を促すことができ、課題解決につながるから良いのですが、部下の中に答えがない場合(経験不足・知識不足によって生まれた課題)の場合には、ティーチングを行わなければ課題解決にはつながりません。
その結果、部下から、「1on1の場で悩みを相談したものの、上司がその悩みを聞いて、問いかけるばかりで、悩みが解決しなかった。」というコメントが出てきます。

限られた時間でコーチングは難しい

そもそも、コーチングという手法は、相手の意見をじっくり時間をかけて引き出すことで、納得感を生み出す手法です。そのため、今の企業が指導力向上をする目的、「短時間でコミュニケーションによって課題解決をする」ためには、コーチングという手法はあまり合っていないことも多いです。

指導力向上に向けた処方箋

シチュエーショナルコミュニケーションの考え方の伝達

上記のような状態を改善する為に、上司部下とのコミュニケーションの質向上に向けた考え方として、 「シチュエーショナルコミュニケーション」という、状況に応じて接し方を変える方法を伝える方法があります。
具体的には、部下の感情と部下の抱える課題の難易度に応じて、コミュニケーションを変えることが有効です。
例えば、以下の図の通り、この4つのパターンで整理することもできます。

  • 課題の難易度は「低い」ものの、部下は「できない」と思っている場合は、 「励ます」(コーチング)コミュニケーションを
  • 課題の難易度は「低い」かつ、部下が「できる」と思っている場合は 「任せる」コミュニケーションを
  • 課題の難易度が「高い」かつ、部下が「できない」と思っている場合は、  「教える」コミュニケーションを
  • 課題の難易度が「高い」にも関わらず、部下が「できる」と思っている場合は、「正す」コミュニケーションを

シチュエーショナルコミュニケーション

上記のようなフレームをお伝えすると、上司の方には、「コミュニケーションを取るときには、 部下の状況・課題の状況を踏まえなければ」という意識が生まれます。
それによって、部下のことを見ない、一方的なコミュニケーションを少なくすることができます。業務(コミュニケーション)の標準化をすることによって、課題解決を実現できるのです。

正すマネジメントの方法の理解

上記の改善策として、「問いかける=励ますコミュニケーション」だけではなく、「正す」コミュニケーションの方法の理解をすることが重要です。
正すコミュニケーションとは、以下の構造で示されます。

正すマネジメント

具体的なステップとしては
①まず、表層に現れている部下の言動を発生させている要因、つまり深層にある暗黙の前提を問いかけて把握します
②次に、暗黙の前提からコミュニケーションによって、「望ましい前提」を伝え、正しい方向に導きます
③最後に、深層が「望ましい前提」の状態になった部下から表層の望ましい言動を引き出します

以上のステップで、部下を「正す」コミュニケーションを取り、正しい方向に導くことが出来ます。
コーチングとの違いとしては、「望ましい前提」を伝えることです。 その結果、部下の中で答えがないケース=望ましい前提を知らないケースにおいても、部下の課題を解決することができます。
働き方改革によって時間の制約が厳しくなっている中では、相手に合わせた「シチュエーショナルコミュニケーション」と部下の深層を捉え、望ましい前提へと導く、「正すコミュニケーション」が指導力向上に有効です。


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