デザイン思考でおさえるべきポイントとは?

デザイン思考

業界問わずあらゆる企業で短サイクルでの変革、革新が求められるVUCA時代と呼ばれる昨今。イノベーションを起こすひとつの有効なアプローチとして「デザイン思考」(デザインシンキング)があります。

本記事では、デザイン思考とは何か?という基本的な問いから、実際にデザイン思考で物事を考えるときの具体的なポイントを紹介していきます。


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そもそもなぜデザイン思考が必要か

■なぜ今、デザイン思考なのか?

市場のニーズが明確だった時代には、企業は顧客のニーズに高いレベルで答える技術や商品を開発し、価値を提供することが求められていました。

一方で、これからの時代はVUCA(※1)と言われており、ニーズがより多様に、また変わりやすくなっていきます。VUCA時代の市場に対応していくためには、新たな価値を届けていくイノベーションを高い頻度で起こしていく必要があります。

※1
複雑性が高く、予測がしづらいという世の中の状況を表した言葉。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとっている。

■デザイン思考とは

困難があってもイノベーティブな組織を実現していこうとする強く持続的な意志を持つという「マインド」面と、実際にイノベーティブな発想をし、具現化していくための武器としての「スキル」面どちらも重要です。

デザイン思考とは、ユーザー起点で問題解決をする思考プロセスです。VUCA時代の昨今、ユーザー起点でイノベーションを起こすための思考方法、つまり「スキル」の一つとして注目されています。


デザイン思考の有用性

■デザイン思考の特徴

デザイン思考には、以下のような特徴があります。

  • ①自社視点ではなくユーザー視点
  • ②完結主義ではなく改善主義
  • ③機能訴求ではなく共感創造

■デザイン思考の実践プロセス

デザイン思考は、以下の5つのプロセスで成り立ち、以下を短いスパンで実践することに重きを置いています。また、5つのプロセスは相互に行き来しながら考えるもので、一方向的なものではありません。

  • 共感(Empathize)
  • 問題定義(Define)
  • 創造(Ideate)
  • プロトタイプ(Prototype)
  • テスト(Test)

■デザイン思考による商品・サービス開発の例

デザイン思考による商品・サービスの開発プロセスの例として、皆さんご存知の「iPod」を紹介します。

・共感(Empathize):ユーザーの行動を「想像」し「理解」し「共感」する

  • ウォークマンで音楽を聴くユーザーの行動を徹底的に観察し、ユーザーに共感する
  • 既存の携帯音楽プレイヤーであるウォークマンのユーザーは「持ち運び可能」であることを良いと思っている一方で、「曲の保存に手間がかかる」「容量が小さい」といった不満を抱えていることに気づく

・問題定義(Define):ユーザーの「課題」を深堀り「ニーズ」を特定する

  • 「CDからPCへ音楽を保存する必要がありプレイヤーに移すことが手間」「入る曲数が少ない」といった問題を発見し、「どこでも、その場で、選んだ音楽を聴きたい」というユーザーのニーズを特定する

・創造(Ideate):「解決策」をブレインストーミングし、絞り込む

  • 「すべての曲をポケットに入れて持ち運ぶ」というアイデアを出す
  • それを実現するために、片手で操作できるコントローラーや、自動で曲を取り入れるソフトウェアという解決策を考案する

・プロトタイプ(Prototype):「解決策」を「具現化」する

  • 実際に、回転する円盤のマウスで操作できる「スクロールホイール」を開発する
  • iPodとPCを自動同期させる「Auto-sync」を開発する

・テスト(Test):「ユーザーの評価」を軸に、プロトタイプを練り直す

  • 2ヶ月で100以上のプロトタイプを制作し、プロトタイプ体験者の行動分析をし改善する

これらのプロセスにより、ハード(iPod)、ソフト(iOS)、サービス(音楽販売)が一体化した経験の提供が可能となりました。


デザイン思考の各プロセスでおさえるべきポイント

■共感(Empathize)

共感のフェーズでポイントとなるのは、想定するユーザーのことを徹底的に想像することです。自分自身がユーザーとなって体験することはもちろん、実際のユーザーと接触し、「観察する」「関わる」「見て聞く」ことによって共感のレベルを高めていきましょう。

ターゲットユーザーが商品・サービスを体験する際のプロセスを前後含めて洗い出し、その際に「何と言っているか/Say」「何をしているか/Do」「何を考えているか/Think」「何を感じているか/Feel」などの観点で具体化していくことが有効です。

■問題定義(Define)

問題定義のフェーズでは、共感フェーズで明らかになったユーザーの体験のなかから目立っていた特徴を洗い出し、ニーズを掘り下げていきます。ポイントとなるのは、表層的なニーズを把握するだけではなく、「なぜ」を問うことです。

ターゲットユーザーのニーズについて自由に発想を膨らませ、なぜそのニーズがあるのか、深層にある願望や問題=「インサイト」を明確化していきます。 「(ターゲットユーザー)は、(ニーズ)を必要とする。なぜなら(インサイト)だから」という問題定義文を活用するとよいでしょう。

課題を絞り込む際は、「具体的なシーンが思い浮かぶような問題定義か?」「市場となりうる程度の人数が該当するか?」「近い将来消滅する市場ではないか?」「わくわく感や意外性があるか?」などの観点が有効です。

■創造(Ideate)

創造のフェーズでは、課題に対する解決策をとにかくたくさん出し、絞り込んでいきます。ポイントは発散と収束です。

発散の際は、「質にこだわりすぎずに、粗削りでもどんどんアイデアを出すこと」「他人の意見にのっかり、アイデアを重ねていくこと」「思いつきを言えばよいのではなく、あくまでトピックからブレないこと」「良し悪しを決めるわけではないため、評価・判断を避けること」が有効です。

収束の際は、「有用性」「実現可能性」「持続可能性」の3つの観点で問いを立て、アイデアを絞り磨いていきましょう。

■プロトタイプ(Prototype)/テスト(Test)

プロトタイプからテストのフェーズにかけては、ユーザーと対話しフィードバックをもらうための方法を考えます。

ユーザーになるべく「実際に体験した」に近い気持ちを抱いてもらい、正直に話してもらうことがポイントになります。ただの説明ではなく、視覚的にわかりやすくするためスケッチやストーリーボード(4コマ漫画)、模型などを使ったり、ロールプレイの場を設計したりするのもよいでしょう。ただ、検証するべき変数は多数あることが考えられます。

1つのプロトタイプにあまり時間をかけすぎないのも大事な観点です。ユーザーからフィードバックをもらったら、どのフェーズに戻るのかを明確にし、アウトプットをさらにブラッシュアップしていきましょう。


おわりに

イノベーティブな発想における有効な思考道具として、デザイン思考を紹介しました。

そもそも、ビジネス活動は「課題解決」行為であり、商品やサービスはその人や企業が世の中に発信したい「メッセージ」を世に届けてくれる「メディア」と言えます。

デザイン思考は、今世の中が「解決したいと思っている課題は何か?」「自分はどんなメッセージを世の中に届けたいか?」「どんなメディアに載せれば、そのメッセージが届くか?」というアイデアを研ぎ澄ませるための力強い味方となるでしょう。



著者

  

LM編集部

理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。
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