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メタ認知とは?意味は?高い人・低い人の特徴やトレーニング方法をご紹介

近年、「メタ認知」はビジネスにおいても仕事力をあげる重要な力の一つとして注目されています。

自分自身を客観的に認知する能力を「メタ認知」と言い、メタ認知能力が高い人は、人と適切なコミュニケーションを取ったり、仕事をうまく進めたり自己をコントロールする等の能力に優れていると言われます。

社会人として身に付けたい「メタ認知」とは何か、またどのように向上させることができるのか等について解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.メタ認知とは?意味は?
  2. 2.メタ認知の重要性
  3. 3.メタ認知は2つに分類される
  4. 4.メタ認知の高い人・低い人の特徴
  5. 5.メタ認知を高めるメリット・デメリット
  6. 6.メタ認知を高めるためのトレーニング方法
  7. 7.記事まとめ

メタ認知とは?意味は?

「メタ認知」とは、自分が認知していることを客観的に把握し、コントロールすることです。メタ認知の力を向上させることができれば、自分自身を冷静に客観視できます。

その結果、思い込みや感情に左右されずに行動したり、状況を適切に判断することができたり、目標達成する力、問題解決能力などを引き上げることができるでしょう。

複雑な課題に取り組み、人とも協働するビジネスシーンにおいても非常に有効と考えられるようになり、近年あらゆる企業においても人材育成の観点で注目を集めています。

「メタ認知」はもともと認知心理学で使われていた用語で、ジョン・H・フラベルというアメリカの心理学者が定義した概念です。

1970年代から研究が進められてい他もののつい最近まで一般的には知られていませんでしたが、最近になって教育関係や人材育成、経営などの業界で重要な能力の一つとして注目されるようになっています。

■メタ認知の定義とは?

メタ認知の「メタ」には、直訳すると「高次の」という意味があります。従って自分が「認知している」こと、例えば記憶・思考・学習したことなどを、「高次の」(=メタ)視点から認知すること、が「メタ認知」の直接的な意味です。

メタ認知の定義は一般的に「認知していることを認知すること」とされますが、つまり人が認知するに至ったきっかけから結果に至るまでの全てを自分自身で把握する・自覚的である ということです。

イメージとしては自分が何かをしながら(考えながら)、常にもう一人の自分が斜め上から冷静に見ているような状態です。自分の言動について、もう一人の自分が客観的な立場から、その言動を把握したりコントロールする能力を「メタ認知」と定義しています。

■メタ認知の起源は?

メタ認知に至るそもそもの起源はソクラテスの「無知の知(=自分が何も知らないことを知っている)」に始まると言われていたりもしますが、「メタ認知研究」としての起源の一つは,自己の内面に目を向けてその意識過程を分析して,言語化を試みる内観(introspection)です。

自分で自分の気持ちや考えを内省することで、どのような時にどのような気持ちや考え方になるか、どうしてその考え方がおき、行動をしたのか、これからどのようなことをしたいのか、などを考える方法です。

ごく初期の心理学ではこの内観法が良く用いられていましたが、一方で内観法によって得られた情報は、それが事実であるか否かを確認することができず、内観そのものは適切であっても、それを表現・表出した際に虚偽や歪曲が入ってしまう可能性をある点で課題がありました。

その後、1970年にフラベルFlavell,J.H.が提唱した記憶過程に関するメタ認知であるメタ記憶(metamemory)の研究により本格的にメタ認知の研究が進んでいます。

メタ認知の重要性

現在私達を取り囲む環境は大きく変化しており、正解もこの先どうなるかも分からない「VUCA時代」とも言われるようになってきています。また、こと「ビジネス」というシーンにおいては顧客・市場のニーズの多様化やスピード感のある変化、働く人の価値観の多様化も増しています。

そのような中において、物事の本質を客観的に認知し、自分で自分の行動と行動に影響を与える考え方を意識的に変えることができるメタ認知の力は、下記のような点で重要度が高いと考えられます。

■①適切な問題発見・課題設定

新たな環境や、答えの分からない状況において、メタ認知が低い状態だと「そもそも何が分からないかも分からない」「何を問題として、解決に取り組むべきか不明」という状態になってしまいます。

俯瞰して客観的にものごとを見るとい右ことができれば、どこが問題になっているのかがはっきり認識でき、何をどうすればいいかという対処も見出しやすくなるでしょう。

■②自己の見極め・セルフコントロール

自分を客観的に認識することはビジネスパーソンにとって非常に重要です。できることやできないこと、強みや弱み、長所や短所など自分の適切に把握することもメタ認知です。自分を把握していることで自分を活かしたり他人と協働しやすくなりますし、成果に近づく行動も判断しやすくなります。

ビジネスシーンでは優秀と言われる人ほど、自己認識や、その状況におけるメタ認知能力が高く、また自分の感情をコントロールしながら冷静に仕事を進めていくことができると言われていることが多いのではないでしょうか。

■③周囲との協働

ビジネスにおいて、他人との協働は必ず必要です。メタ認知が低いと、思い込みや観念に囚われてしまうことが多いと言われますが、結果的に周囲の期待や認識とずれた行動や言動につながったり自己中心的な人という評判につながってしまったりします。

固執している自分に気付けない=メタ認知が低いということは周囲との協働の妨げにもなりうるため、俯瞰した視点で見て自分と周囲がどう感じているかを見ることができる力は組織の中では欠かせません。

メタ認知は2つに分類される

メタ認知は主に「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」に分類されると言われます。

■メタ認知的知識

「メタ認知的知識」とは、自分の短所や長所など、「自分自身について知っている知識」です。メタ認知的知識の中でも、一般的には①「人」に関わる知識②「課題」に関わる知識③「方略」に関わる知識 の3つに分かれています。

①「人」に関わる知識

言葉の通り、人の認知特性に関する知識です。たとえば「眠いと認知能力が下がる」等の一般的な知識や、「話すのは苦手だが、人の話を聞くのは得意だ」「自分はこういう状況でマイナス思考になりやすい」といった自分で把握して知識として理解できることをいいます。

②「課題」に関わる知識

課題自体に関わる知識であり、例えば「抽象議論は具体的な議論よりも論点が曖昧になりやすい」「長時間にわたる単純作業はミスが出やすい」などの問題・課題スキームに関しての知識となります。

③「方略」に関わる知識

課題を解決するための方法に関する知識です。例えば「図解した方が課題設定がしやすい」「このような課題はこのフレームで考えると解決の糸口が見えやすい」などです。

注意すべき点は、メタ認知的知識があるとしても、メタ認知能力が高いとはいえないということです。認知的知識をもとに、その先の対処法までを把握できてはじめて、メタ認知能力を高めることができます。

■メタ認知的技能

「メタ認知的技能」とは、メタ認知的知識を把握した上で、現在の自分自身がどうか認識したり、対策を講じたりする能力のことです。メタ認知的技能は一般的に①モニタリングと②コントロールの2つに分かれます。

①モニタリング

メタ認知的知識を現在の自分の認知活動に照らし合わせ、監視することです。適切な認知方略をとれているか、認知の状態は正常か、悪い方向になっていないかなどを確認していくことを言います。

②コントロール

上記のモニタリングで確認できたことを踏まえて感情をコントロールする、改善に向けて行動を変え工夫することを言います。

メタ認知的技能はメタ認知的知識の応用であり、メタ認知のスキルとしてはこちらのほうが重要だと言われています。

そのため企業におけるメタ認知の強化のための育成が取り入れられることもありますが、このような手法面に関する教育が比較的多いのではないかと思います。

メタ認知の高い人・低い人の特徴

それでは、メタ認知能力の高い人、低い人はそれぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

■メタ認知の高い人の特徴

周囲へ適切な配慮ができる

メタ認知の能力が高い人は、俯瞰的に物事を見ることができるため自分と周囲の適切な距離が判断できます。そのための配慮もできるため、相手にとって心地よく、仕事上でも円滑な人間関係を形成して業務を進めることができます。

また、偏った思い込みがなく多様な価値観を受け入れられること、協調性が高いことが多いため、様々なメンバーを束ねながらひとつの目的を達成させるプロジェクトリーダーのような立場にも適しています。

感情に振り回されず安定的

自分自身を客観的に見つめて感情をコントロールできるため、いつでも冷静に対応ができます。もしも仕事上でトラブルが発生したり、自分にとって不安・不快に思えることが怒ったとしても冷静になり焦らずに対処ができます。

柔軟性があり成長速度が速い

メタ認知能力が低いと非生産的な感情だけの反応に終始しがちになりますが、メタ認知能力が高いと自己改善や自己成長に向けて前向きに物事を受け止めることができます。

万が一仕事上でミスをしてしまっても、再発防止のためにどうすべきか考える「内省力」「問題解決力」、次に活かせる「リスク回避能力」も高いです。

これに加え、ミスによって新しく何かを学び、仕事に活かせる柔軟性も持っています。

■メタ認知の低い人の特徴

一方、メタ認知能力が低い人は、思い込みが強く極端な側面からしか物事を見ることができず、場当たり的で感情に任せた行動をとってしまう傾向があります。

また状況を俯瞰して見ることができないため、相手との違いや衝突を受け入れられず人間関係に悩みを抱えてしまったり、相手のことを考えずに一方的な言動をとってしまう傾向があります。

そのため、仕事でも課題解決に時間がかかってしまったり、適切な協働ができず相手の信用を失ってしまうこともあり得ます。

結果として自己信頼や達成感を上手く得られず、自己肯定感が低かったり、成長意欲が低くなってしまうこともあります。

メタ認知を高めるメリット・デメリット

■メタ認知を高めるメリット

メタ認知を高めること、つまり「モニタリング」によって自分や状況を客観視しながら課題を見つけ、その上で思考や行動を良い方向へ「コントロール」することで、下記のようなメリットを得ることができると考えられます。

①変化の激しい時代に適応できる

冒頭にお伝えしたように、スマートフォンやインターネットなどの普及によるスピーディーな世の中の変化、また働き方の変化など、世の中は劇的に変遷しています。メタ認知能力は、このような変化の激しい時代に対応するための大切な柱となります。

メタ認知能力が高いことで、激しく変化する世の中において自身の現状(知識や考え方)などを適切に認識し、更新し続けることができます。

変化に柔軟に対応できる能力は、今の世の中ではビジネス非常に重要です。

②課題解決力が上がる

メタ認知能力が高い人は、状況を適切に捉えてフラットに課題設定・解決に取り組むことができます。

また自己分析能力にも優れているため、自分の能力を活かしたりあるいは足りない部分を他の人に補ってもらうなど、成果や目的に向けた選択を取れるようになります。

■メタ認知を高めるデメリット

メタ認知が高いことは基本的にはメリットが多いものですが、一方で常に頭を働かせている状態に陥ってしまい、思考力を疲弊させてしまうこともあります。

またメタ認知が高いことで自意識が過剰になりやすく、プレッシャーを感じて本来の自分の力を発揮できないこともあります。

そうなったときは、一度その視点から離れて自分の内側に集中する「瞑想」を行って見ることや、あるいは自分のみで考えることをやめて信頼できる人と対話するなどを心がけると良いかもしれません。

▶︎参考:瞑想・マインドフルネス

メタ認知を高めるためのトレーニング方法

ここまで、メタ認知とは何か、またそのメリットデメリットやメタ認知が高い人の特徴などについて説明して来ました。ここからは、メタ認知能力を高める方法について解説します。

■①メタ認知的モニタリング

まず鍛えるべきは、メタ認知的技能の一つ「モニタリング」。つまり自分自身を客観視し、思考や行動の傾向や短所長所を確認していく作業です。

自分を客観視するといっても、なかなか自分で自分を客観視しようとしても難しいものです。まずは、自分の「特性」を把握してみましょう。リンクアンドモチベーションでは、個人特性診断によって自身の「モチベーション特性」を把握することができます。


※参考:リンクアンドモチベーション モチベーション特性

もちろん人は複雑なものなので、完全に自身の傾向を切り分けることは難しいかもしれませんが、「自分は何に対していら立ちやすいのか」等の傾向を分析することはできるでしょう。

自身の普段の判断や、感情の動きなどと自己分析を照らし合わせ、「モニタリング」の能力を向上させていきましょう。

■②メタ認知的コントロール

次に必要なのは、もう一つのメタ認知的技術「コントロール」です。モニタリングするだけでなくモニタリングによって得た情報をもとに、対処するための目標を立て、それに向けて行動していきます。

たとえばモニタリングの結果、自身の感情の動きの要因(例えば「いら立ちを感じた」→要因が相手の失礼な態度だった)が判明すれば、次はその要因を「除外する」「避ける」「捉え方を変える」などの対処をしてみます。

メタ認知は脳の前頭連合野の働きによって、向上したり低下したりするといわれており、ハンブルク大学でも、この前頭連合野をトレーニングで刺激する方法が研究されています。

モーリッツ教授のメタ認知トレーニング(MCT)によると、

  • 自らの認知バイアスを理解する
  • モニターする
  • コントロールする

のステップに沿って訓練を進めれば、下がってしまったメタ認知能力を回復できるそうです。

またリンクアンドモチベーションでは、特に「物事の捉え方を変える思考技術」として「スイッチ&フォーカス」の考え方を紹介しています。

物事の捉え方を変えて対処するといっても、自分で 「物事を多角的に見て柔軟に考える」「ポジティブなことに気付いて自力でコントロールできるものに集中する」ことは難しいものです。

だからこそ、再現性高くその視界を切り替えることができる 「思考技術」を身に着けることが重要です。これは訓練することで身につけることが可能な力です。

<スイッチ&フォーカスの活用例>目の前の仕事に納得感が無く不満がある場合


※参考:リンクアンドモチベーション 思考切り替えの観点「スイッチ&フォーカス」

記事まとめ

いかがでしたか?客観的に自分を認知しコントロールする能力が高い人は、常にものごとに冷静に対処したり適切な判断ができることで、生産性・業務効率が高かったり、人間関係が良好だったりという傾向があります。

メタ認知はモニタリングとコントロールを繰り返すことで鍛えられる能力であり、また自身のモチベーション安定や成果向上にも繋がります。

企業としては社員のエンゲージメント向上や生産性向上のために、積極的にメタ認知を鍛えることのできる機会提供をしていくことも有効になってくるでしょう。



▼【新入社員育成のポイント】が分かる資料はこちら 

新入社員早期育成に必要な3つのポイントとは?

神門 美紀
神門 美紀

【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 大手・リーディングカンパニー向けの営業コンサルティングに従事。 育成・組織開発を中心に、企業価値向上に向けた 「ダイバーシティ推進」「理念策定・浸透」「制度改定」の実績等。 小売サービス業、インフラ企業、IT企業様など数多くの業界のお客様を支援。 営業をしている。

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